世界にはまだまだ私たちの知らない世界がたくさんあります。
そして、まだ私たちに見つかっていない過去の遺物が地中深くや海底の底などに埋まったり沈んだりしたままになっている場所がたくさんあることでしょう。
そのようなものの中には、いったいどのような目的で作られたものなのか、私たちにはわからないものがたくさんあります。
そのために必要な学問が考古学ですね。
地中などから見つかった一つ一つのピースを組み合わせることによって、だんだんとわかっていなかったことがわかっていく。
そんな一つ一つの過去からのメッセージをもとにして、徐々に当時の人々の暮らしなどが明らかになっていくことで、人類は自分たちのルーツの一つ一つを謎解いていくのです。
今回は中東のヨルダンという国でヨルダンとフランスの考古学者のチームによって見つけられた石の彫刻です。
そこにはユニークな表情をした顔が彫られているのです。
9000年前のものと考えられるこの彫像。
いったいどのような目的をもって作られたものなのでしょうか。
今回は、この興味深い発見について書かれた記事があったのでそちらを紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
ヨルダンの砂漠から見つかった、9000年前の数々の顔の彫刻

中東の国ヨルダン。
国土の80%もが砂漠というこの国には、紀元前のペトラ遺跡をはじめとして紀元前から人々が活動していたということがわかる遺物が見つかっているほど、人類史に古くから残る地域です。
今回、そんな歴史的な遺物が多数残っているヨルダンの南東にある砂漠にてまた新たな考古学的な発見がありました。
2021年の10月、10年以上かけてこの地域を調査してきたグループ(MohammadB.TarawnehとWaelAbu-Azizehが率いるSouthEasternBadia Archaeological Project(SEBAP))によってこの発見は世間に公表されます。
それは、9000年前の新石器時代のものと考えられているユニークな表情の顔が彫られた石の彫刻でした。
これらが発見された場所は、当時の人々がガゼル(シカのような外観ではあるがウシ科の動物)猟のための儀式に用いられた場所『デザート・カイト』ではないかと考えられています。
人々はここでの儀式によって狩猟の成功や、豊富な獲物が現れるように祈りをささげたのではないかと思われています。
デザート・カイトという狩猟に使われるトラップである建造物は、長い石の壁で囲った造りになっており、そこに獲物を追い込んで狩猟するためのものです。
このトラップを当時の人々はガゼル猟に使用していました。
約10年前の2013年に最初にこのトラップが見つかってからは、ここで狩猟を行っていた人々のキャンプ地や、定住していた半地下型で円形の小屋なども見つかっています。
今回見つかった石の彫刻は、当時の新石器時代の人々のスピリチュアルな面についての理解を深めていくことができるのではないかと考えられています。
このことによって、親戚時代の人々の精神的な文化や、芸術的な表現について今後の研究に新しい光明を与えることになるかもしれません。
見つかった人間の顔が細かく描かれた2つの石の彫刻は、112cmと70cmとの2種類のものがあり、それぞれガッサン、アブガッサンと名づけられました。
こういった人型の彫刻が見つかったことは珍しく、中東地域で最も古い芸術的な発見の一部であると考えられています。
それ以外にも儀式に用いられたと思われる祭壇の石や、供物を捧げることなどに使用された炉床。
さらには海洋化石や動物の置物、火打石なども見つかっています。
なお、人類のこれまでの歴史の中で最も古いものと知られている建造物は、1994年委ドイツの考古学者にって発見された、トルコのアナトリア南東にあるギョベクリテぺコンプレックスという神殿です。
11500年前に造られたとされている石造りの建造物は、今回のヨルダンでの発見よりもさらに古くに造られた建造物です。
いかがだったでしょうか。
政情が不安定な中東の地域ですが、この地域には古くから人類が活動していた地域であり、数々の遺物が残されているのです。
そして、広大に広がる砂漠の下には、まだまだ私たちが知らない発見がたくさん隠されていることでしょう。
今後、発掘技術が発達していくことによってまだまだ新たな過去の遺産が見つかる可能性があります。
そう考えると、人類の歴史のどのような痕跡が見つかるのか、楽しみになってきますね。
今回の発見のように、数多くの考古学者たちが過去の遺物を見つけるために日々研究を続けています。
またそのようなニュースを見つけたときには、このように記事を紹介していければと考えています。
