敬虔なイスラム教の国インドネシアには数多くのモスク(マスジッド)があります。
それぞれの村々には必ず一つ、大小さまざまなモスクが存在しており、常に人々の生活と共にモスクが存在していることがごくごく自然な状態なのがインドネシアの日常です。
そんな数々あるモスクの中でも、由緒あるその地域を代表するようなモスクもあります。
今回紹介しているアル・アクバルモスクもそんなインドネシアを代表するような巨大なモスクです。
ここでは、数多くの人々が一度にお祈りをすることができ、それ以外にも結婚式などの人生の節目となるようなイベントもいつも行われています。
また、イスラムの学校が併設されていたりと、いかにイスラム教がインドネシアの人々の生活の中の一部となっているかがよくわかるのではないでしょうか。
今回はそんなインドネシアを代表するモスクの一つ、アル・アクバルモスクを紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
スラバヤに関する記事です。














アル・アクバルモスク
アル・アクバルモスクはインドネシアのジャワ島、東ジャワ州スラバヤにあるモスクです。
非常に大きなモスクであり、約150m四方の大きさがある建物の中でも、中央のドームの高さは27mもある巨大なモスクです。
実際、インドネシア内でも、ジャカルタにあるイスティクラルモスクに続いて2番目に大きなモスクです。
モスクや周辺施設を含んだ敷地は22300㎡もの広さがあります。
モスクはブルーのタイルが美しい造りになっており、定期的に修繕なども行われているため、非常に状態よく保存され使われ続けています。
このモスクの特徴は、中央の青い大きなドームを囲むように4つの小さなドームが並ぶ造りになっています。
また、モスクの敷地内には、99mもの高さがあるミナレットと呼ばれるタワーがあります。
この99というのも意味があり、アラーがもつ99の名前を称えたものとなっています。
このミナレットは展望台になっており、内部のエレベーターで展望フロアに移動すると、スラバヤの街の四方を一望できる素晴らしい景色を見ることができます。
このアル・アクバルモスクが造られたのは、比較的最近であり、1995年にスラバヤ市長であったスナルト・スモプラウィロ氏が提案し建造に取り掛かりました。
しかし途中でアジア金融危機などがあったため中断されたりといったこともありましたが、最終的に2000年に完成しました。
建造にあたっては、マレーシアにあるモスクなどに使用されていた建材などが利用されました。
この広大なモスクは非常に広い内部構造となっており、礼拝者たちのために部屋は仕切りや柱で区切られておらず、広々とした空間を実現しています。
インドネシアでも最大のミフラーブというイスラム教徒がお祈りをするときに向くメッカのカーバ神殿の方向を指すキブラの壁があります。
地下にもフロアがあり、 お祈りの前に身を清める場のウドゥ(Wudu/Wudhu)や、ムスリムの小学校が設けられています。
2020年のコロナ禍によってアル・アクバルモスクは内部に入ることが閉鎖されてしまいました。
2022年現在でもまだ一般の人々は入ることができない様子であり、残念ながらミナレットも閉鎖されています。
しかし、毎週日曜日にはこのアル・アクバルモスクの周囲に数多くの屋台やお店が出現し、にぎやかな日曜市が開かれています。
インドネシアならではの食べ物や、衣料品、工芸品、おもちゃ関係等、インドネシアの庶民の暮らしを見ることができるイベントなので、スラバヤに滞在する場合は一度見てみることをお勧めします。
日曜市は道路を埋め尽くすほどの多くの人の入りがあるため、防犯対策には十分に気をつけるようにしましょう。
アクセス
インドネシア鉄道Kertomenanggal駅から西に2kmのところにありますが、高速道路沿いにあるため車で訪れる方が便利です。
アル・アクバルモスクに行ってみた
それではアル・アクバルモスクに行ってみましょう。

こちらがアル・アクバルモスクです。
中央の半卵型のドームがまぶしいほどの鮮やかなブルーの色をしています。

内部に入ってみましょう。
ここは、4つの小さなドームの1つの下になります。

内部はこのように非常に広い空間が広がっており、イスラム教徒の人々がお祈りをしたりおしゃべりをしたり、昼寝をしたりと、思い思いに過ごしています。
この写真の場所で小さなドームの一つの部分であるため、全体では、かなりの収容人数を誇るモスクです。

モスクの入り口はこのような大きく、鮮やかな扉があります。
この中は神聖な祈りの場であるため、イスラム教徒以外は入ることはできません。
扉の外から中の様子を見るだけです。

モスクの地下にはウドゥ(Wudu/Wudhu)というお祈りの前に身を清める場所があります。
アル・アクバルモスクのウドゥ(Wudu/Wudhu)の場は非常に広く造られており、入り口付近には足首から先を清める水が張られています。

この写真の場所では、手や足などを清めます。

トイレも併設されています。

手足や実を清めた後は再び屋外に出て、1階の祈りの場に向かいます。

さらに内部を見ていきましょう。

このあたりは誰でもはいれる中庭のようなところです。
アル・アクバルモスクはロの字型の造りになっており、1階と2階に回廊が設けられています。
2階に上がるためのエスカレーターも用意されていました。

間近から見た中央のドームです。
この後は、中央ドーム舌を見に行ってみます。

アル・アクバルモスク全景の模型が置いてありました。
右後ろにはミナレットもありますね。
実際はもっと高いように思うのですが。

ここが中央ドームの下にあるフロアです。
柱や仕切りがなくすっきりした空間ですね。
右にござが敷いてあるところはお祈りをする人たちの場のようです。
中央にあるミフラーブの前ではちょうど結婚式が行われていました。

イスラム式の結婚式の様子です。
インドネシアの人々は写真や動画撮影が大好きです。
映画のワンシーンかのように撮影が行われていました。

2階の回廊に上がってきました。

2階から見た中央のドーム下のフロアです。

下から見るとドームの造りは非常にこだわっていますね。
ドームには無数の小窓がありました。

先ほどの結婚式の続きの様子です。
親族も大集合しています。

お次はミナレットに行ってみましょう。
内部はエレベーターが付いているので展望フロアまでは楽々に登れます。
たしか一人につき5000ルピアが必要でした。

ミナレットの展望フロアからの光景です。
窓ガラスが薄い青色になっているので、このように青色の景色になります。
アル・アクバルモスクの中央ドームもこのように眼下にあります。

四方向全てが展望できるようになっているので、スラバヤの街並みをここから見てみてください。
いかがだったでしょうか。
実は見どころが少ないスラバヤなので、観光地となるとまずはここが必ずと言っていいほど選択肢に挙がるのではないでしょうか。
コロナ禍によって一般には解放されていない状態にはなっていますが、周囲から見たり、日曜市は楽しむことができるので、今ここを訪れる時は今できる楽しみ方をしてみてください。