スリランカの世界遺産、ポロンナルワは、文化三角地帯と呼ばれており、数多くの遺跡が残っています。
ポロンナルワといえば、アヌラーダプラを追い出されたシンハラ朝が遷都した首都であり、10世紀~12世紀ごろに全盛期をむかえた都市でした。
前回はこのポロンナルワにある、ポロンナルワを華やかな首都として発展させたとして言い伝えられているパラークラマ・バーフ1世ではないかと思われる石立像を紹介しました。
そして今回は、この石立像の近くにあるとある遺跡について紹介したいと思います。
前回も紹介したようにポロンナルワ南端にある石立像は、ヤシの葉に書かれた経典を読んでいる姿の像でしたが、その近くにあるこの遺跡に何からの関係があるのではないかとも考えられています。
その遺跡の名を、ポトグル・ヴィハーラといいます。
今回はこのポトグル・ヴィハーラという遺跡がどういった遺跡だったのか、紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
スリランカのポロンナルワの世界遺産に関する記事です。





ポトグル・ヴィハーラ
ポトグル・ヴィハーラは、スリランカの世界遺産であるポロンナルワにある遺跡です。
ポロンナルワの遺跡地区の中では南端の地域にある遺跡ですが、南側からポロンナルワ観光を始める場合にはここが起点となります。
巨大な貯水池であるパラークラマ・サムドラに沿って走る道路から少し東の林に入ると、いくつかの遺跡が点在する場所に行きつきます。
いくつか遺跡が点在する中に、4つのダーガバ(仏塔)に囲まれたドームのような形をした建物があります。
それが今回紹介しているポトグル・ヴィハーラです。
そんな場所にあるポトグル・ヴィハーラなのですが、ここはもともとは仏教の経典などが保管されていた図書館であったと考えられています。
経典といっても現代のように本の形になっているのではなく、ヤシの葉でできた仏教の経典が保管されていたと考えられています。
建物の形は円形の形になっていて、仏教経典が納められていただけではなく、僧たちによって仏教の仏典などの朗唱などが行われていたのではないかと考えられています。
このエリアにあるもう一つの遺跡である石立像。
あの石立像はヤシの葉でできた仏教の経典を読んでいる姿でしたよね。
もしかしたらこのエリアはポロンナルワ中心地より離れた場所にありますが、当時の文教地区のようなエリアだったのではないでしょうか。
図書館であるポトグル・ヴィハーラ、そしてそれをその近くに立つ石立像は、この図書館の敷地内にあるモニュメントのような位置づけだったのでは?といったことも考えてしまいますね。
アクセス
ポロンナルワの遺跡地区南端の方角、石立像の近くにあります。
ポトグル・ヴィハーラへ行ってみた
それでは、ポトグル・ヴィハーラへ行ってみましょう。

石立像のすぐ南には、レンガ造りの土台の上にいくつかのドーム状の建物が残る遺跡があります。
これがポトグル・ヴィハーラです。

中央のドームを囲むように4つの小さなドームがあり、さらにその基壇の下にはいくつかの建物跡が見られます。

こちらがポトグル・ヴィハーラの全体図です。
それでは、中央のドームがある基壇の上に行ってみましょう。

かなりしっかりしたレンガ造りの跡と、階段が残されています。

中央のドームにやってきました。
ここでは、僧たちによって仏教の仏典などの朗唱などが行われていたのではないかと考えられている場所です。
このドームの周囲に小さなドームが4つあります。

横からもドームの様子を見てみました。
かなりしっかりした遺跡が残されています。
しかし、ポロンナルワの中心部からは離れているためか、見学に来ている人はいませんでした。
その分ゆっくりと遺跡見学ができます。

こちらも別角度から見たところです。

ポトグル・ヴィハーラの全体は同じようにレンガで造られた壁が造られていたようでした。
現在では一部分のみが残されている状態です。

壁の外から中央のドームを見たところです。
いかがだったでしょうか。
前回紹介した石立像と今回紹介しているポトグル・ヴィハーラはセットで見て回ることができる遺跡です。
中心部から離れていることもあるので、現地のタクシーなどにお願いするともしかしたらここは回ってもらえないかもしれません。
きちんとここも回ってほしいことを伝えておくことか、前回も紹介したように自転車を借りて自分なりのプランで回るのがポロンナルワ観光ではベストだと思います。