706【タイ紀行】木の根元から顔を出す、奇跡の仏頭で有名な『ワット・マハータート』

世界の世界遺産(World Heritage)
この記事は約6分で読めます。

タイのバンコクから最も気軽に訪れることができる世界遺産、アユタヤ
半日日帰りのツアーでも余裕で回れてしまうアユタヤは、非常に訪れる人も多く、魅力的な遺跡が数多く残されています。
今回紹介しているのはその中でも真っ先に思いつくようなアユタヤの名所です。

タイのあちらこちらで見かける仏像。
仏教国タイだけあって、国中どこに行ってもたくさんの仏像を見ることができます。
しかし、今回紹介している仏像はただの仏像ではありません。
木の根の中に仏像があるのです。
しかも頭部のみ…。
この木の根の中にある仏像の頭で有名なスポットがワット・マハータートです。
もちろんこの木の根の中にある仏像の頭が主要な場所ではなく、この場所を含む仏教寺院跡うすべてがワット・マハータートといいます。
ではこの寺院はどのような寺院であり、なぜ仏像の頭が木の根の中に入り込んでしまっていたのでしょうか。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 木の根の中に覆われた仏像の頭がアユタヤのシンボル的な場所でもあるワット・マハータートに行ってみよう。

タイの世界遺産に関する記事です。

748【タイ紀行】アユタヤでは定番のツアーコース。巨大な涅槃像が迎えてくれる『ワット・ローカヤスタ』
アユタヤ観光の中でも、ツアーなどでは必ずと言っていいほど訪れることになるこの場所ですが、何といっても、屋外にある巨大な涅槃像が印象深い寺院です。涅槃像というとバンコクのワット・ポーにある黄金の涅槃像が頭に浮かぶでしょうが、アユタヤといえばここでしょう。その寺院の名前はワット・ローカヤスタといいます。
727【タイ紀行】大きな三つの塔が並ぶ姿有名なこの寺院跡。アユタヤ観光では定番の『ワット・プラ・シーサンペット』
アユタヤにある寺院の中でも、アユタヤ朝時代には最も格式が高かった寺院として、ワット・プラ・シーサンペットといいます。ここの目玉としてはなんといっても、真っ先に目に入ってくるのは、3つの並んだ仏塔でしょう。
476【タイ紀行】かつては周辺国の数々を領有していたほどの力を持っていた世界遺産の古都『アユタヤ』
タイへ旅に行くと、どこか世界遺産を見てみたくなりますよね。その時真っ先に候補に挙がるのが、アユタヤではないかと思います。バンコクから非常にアクセスのよい場所にあるアユタヤは、たくさんのツアーも敢行されており、利用したことがある人も多いのではないかと思います。
375【タイ紀行】世界遺産スコータイの地を代表するシンボル『ワット・シーチュム』
今回はタイの世界遺産の中で、タイの中北部に位置するスコータイ遺跡の中にあるワット・シーチュムを紹介したいと思います。スコータイ遺跡を反映させていたスコータイ王朝は、アユタヤに王朝があった時代よりも古い時代のものとなっており、タイの王朝の歴史を感じるにはうってつけの遺跡なのです。
171【世界遺産】行ってみたら予想以上だった世界遺産ピックアップ5②
1000を超す世界遺産。実際に自分の足で赴き、実際に自分の目で見てみると、新たな発見や、改めてその良さを実感できることが多々あります。そんな中で、行ってみたら予想以上だった、王道な世界遺産をピックアップしてみました。

ワット・マハータート

タイのアユタヤは、世界遺産『古都アユタヤ』として登録されています。
その中にある世界遺産の構成資産の一つにワット・マハータートはあります。
実は同名の寺院跡が各都市に残っていたりするのですが、マハータートという言葉に釈迦の遺骨や遺灰という意味を持っており、かなり格式の高い寺院の跡なのです。

1300年代後半のアユタヤ王朝初期のころに建造されたと考えられているワット・マハータートですが、
建造当時には中央の仏塔が40m以上もの高さがあったとされています。
その後さらに修復・増築が行われ最終的には50mを超す高さにまでなったり、敷地内には数々の建物などがあったりしたのだそうですが、創建から約400年後になって侵攻してきたビルマ軍との戦争、泰緬戦争が勃発します。
2年間の戦争の結果、勝利したビルマ軍によって数多くの建築物は壊滅的なダメージを受けてしまいます。
その際に中央の仏塔も破壊されてしまいます。
戦後には再度仏塔は復元されたようなのですが、1911年に自然崩壊してからは再建されることはなく、その土台のみが残っています。

また、ビルマ軍の侵攻の特徴としては、仏像の頭部を切り落としていきます。
しかし、近くに転がったり、破壊されて散らばった頭部はなかなか見つかりません。
あえて仏像を残してその頭部を切り落とすことで、ただ単に破壊するだけではない、精神的なダメージを狙ったものではないかと考えられます。
そのため、ワット・マハータートにのこっている仏像は頭部が無くなってしまっているものが数多くあります。

そして、その際に礼拝堂や仏堂などの建造物のほとんどは壊滅的な被害を被ってしまったために、レンガがむき出しになった壁や土台が残るだけの状態になっています。
また、地中深くには地下室が設けられており、数多くの文化財が残されていたそうなのですが、そのうちの多くは盗掘によって持ちされれてしまったものも少なくはないそうです。

アユタヤのワット・マハータートが有名なのはなんといっても木の根元にある仏像の頭部でしょう。
敷地内に青々と茂る菩提樹。
この根の中に、仏像の頭だけがとりこまれてしまい、周囲を木の根で強固に覆われた状態になっている仏像の頭部があります。
この頭部は切り落とされたのではなく、1600年代に胴体からこの場所に離れ落ちたとかんがえっられています。
そこから数百年。
菩提樹の木が成長するとともにその木の根元に取り込まれ、現在のような姿になってしまっています。
そして、現在もなお成長する木と共にあり続ける仏像となっているのですが、どれだけ成長しても頭部はまっすぐ前を見つめており、奇跡的なバランスの中であり続けています。
あまりに成長が進んでいるため、頭部を取り出すためには木を切り倒す必要があるのだそうです。

アクセス

アユタヤはバンコクから80km北上したところにある世界文化遺産のある都市です。
バンコクからは非常にアクセスしやすく、ツアーもかなりの数が敢行されています。

ワット・マハータート に行ってみた

それでは、ワット・マハータートへ行ってみましょう。

むき出しのレンガの土台や壁が残るワット・マハータート。
その崩壊の様子は、ビルマ軍の激しい攻撃の面影を残しています。

早速なのですが、こちらが菩提樹に残る仏像の頭部です。
奇跡的に木の根の中に水平を保っていることがわかるでしょうか?
自分はこの場所に10年間の時間を空けて2度訪れているのですが、そのたった10年の写真を見比べてみても、今もなお頭部が木と共に成長し、上に登っていっていることがわかりました。

余談ですが、敷地内の売店の壁には、黄色いシミのようなものがあることがわかるでしょうか?
これは数年前にこの地が洪水になった時に、浸水したところの高さを表しているようです。
すさまじい災害があったのだなと痛感させられる痕跡ですね。

中央の仏塔は特に無傷な状態なのですが、周囲に並ぶ仏像に注目してください。
すべて仏像から頭部が切り落とされた状態になっています。

こちらにある仏像も全て頭部がありません。
徹底的に破壊されたことがわかります。

仏塔も点在しています。

こちらは門だったのでしょうか。
かなりの高さがある門柱らしきものが、片側だけ残されています。

こちらはかつて中央の仏塔があったとされているところです。

最後に崩落して100年以上。
なんと、崩落前の仏塔の写真は、現在も残っているのだそうです。

登っていってみましょう。

こちらにも頭部のない仏像が・・・。

600年以上の歴史をもつワット・マハータート。
レンガ造の非常に大きなこの遺跡は、経年と共にその重みからか崩落の危機も迫ってきています。

敷地内の様子を見にいってみましょう。

この角度から見ると仏塔が若干斜めになりつつあるのがわかります。

別の写真ですが、土台が地面にめり込んでいる仏塔が。

こちらは完全に斜めになっていますね。
これだけの大規模な観光地なので、修繕は行われていると思います。

こちらは壁から仏塔まですべてが波打っています。
個々のそばを通るのは非常に怖いのですが・・・。

いかがだったでしょうか。
バンコクからも簡単アクセスで訪れることができるアユタヤ。
いくつかあるタイの世界遺産の中でも最も訪れやすいスポットです。
日々成長を続ける菩提樹と、それと共に地上から離れていっている仏像の頭部。
これは見に行くしかないですよね!

しかし、写真撮影の場合だけ注意してください。
撮影する際には、仏像の頭部よりも低い位置に陣取って写真を撮ることが求められます。
頭部だけになっても仏像は仏像。
しっかりと敬いの心をもって参拝してきてみてください。