749【雑記】幸せの国として名高い国。なかなか観光に行くことも難しいが、実際はどんな国なのか?『ブータン』

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国の豊かさって何なのでしょうか?
石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料でしょうか。
それともどれだけたくさんのお金を持っていることでしょうか。
人的資源がたくさんで、若い労働力がたくさんあることでしょうか。
これらのどれも正解ではないかと思います。
国の豊かさの基準は人それぞれですし、国それぞれであると思います。
それぞれであったとしても、きちんとしためざす方向性をもって国が運営されていれば、その国に住む人々にとっても、一人一人の豊かさにつながっていくのではないかと思います。

そんな国の豊かさの尺度ですが、あまり他では見られない基準をもって運営されている国家があります。
その国とはアジアにある小国のブータンです。
ブータンでは、国の豊かさを国民の幸福量に置く、功利主義を採用している世界でも極端に珍しい国なのです。
日本でもブータンの王室が取り上げられたり、国と国とのやり取りも多くあるため知っている人々も多いのではないかと考えられるこの国ですが、実のところそこまで詳しくは知らないなあという人も多いのではないかと思います。

そこで今回は、この幸福量という概念を国家運営に採用した独特な国であるブータンについて調べてみることにしました。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 世界でも珍しい仕組みを取り入れたブータン。しかし、そこへの入国の仕方は少し他国とは異なるため、なかなかその実情がわからないブータンについて調べてみよう。

ブータン

ブータンは正式にはブータンの王国という立憲君主制国家です。
その場所はインドやパキスタンなどと同じく南アジアのエリアに位置しており、すぐ北には中国のチベット自治区が。
それ以外の方角はインドに、というように2つの大国に囲まれた場所にある国です。
2台大国に囲まれた場所ではあるもののその国土のほとんどがヒマラヤ山脈南麓に位置する山岳国家です。

ではなぜこのような大国に囲まれた地域にこのような小国が誕生したかなのですが、その興りは3世紀前半頃に、この地にチベット仏教のドゥク・カギュ派がつたえられ、定着していったことから始まっていると考えられています。

南部にあるインドがイギリスに植民地支配されていたことから、イギリスとの間に数々の歴史的な出来事がありました。
特にインドを支配するイギリスにとっては、この地理的環境にあるブータンの存在は、北東エリアからやってくる他国の勢力を張女するための緩衝地として重要な位置にありました。
そういった地理的な利点を大いに活用して、大国に囲まれているのだとしても、国家としてうまく立ち振る舞ってきたのがブータンでした。

かつてのブータンは、僧侶の代表者と、俗人の代表者の二頭体制によって政治が進められていましたが、20世紀初頭に国王がおかれることになり、それ以降は王位が世襲によって引き継がれていくことになりました。
現在は5代国王であるジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュクが王位についています。
かつては強大であった国王の権限でしたが、第4代国王の時代にその権力の縮小政策がとられ、2008年には憲法が公布されたことによって、現在は立憲君主国へと移行することになりました。

そんなブータンの特徴的な政策は、国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)の概念をもって、世界で最も幸せな国として独自の取り組みが1970年代から取り入れられています。
しかし、多くの情報を国民が手に入れられるようになった昨今では、人々が自分たちと他国との暮らしを容易に比較することができるようになったことから、国民の幸福度は必ずしも世界で一番高いとはいえ奈状況になってきているのだそうです。

ブータンを支える産業は農業です。
刻印の約9割が農業などに従事しており、平原地帯では米を、山岳地帯では果樹などが栽培されています。
しかし、国土のほとんどが厳しい地形にあるため、農業効率はなかなか改善せず、生産能力も一向に向上しないことがブータンでは課題となっています。
それに加えて、山岳地帯にあるこの国では水力発電が活発に行われており、そこで作られる電力は重要な輸出品となっています。
特にインドに対してこの電力を輸出することによって数多くの外貨を手に入れています。

また、もう一つの有力産業が観光業です。
ブータンは外国人の入国に対して制限を設けており、観光客が自由に入国することはできなくなっています。
それは、文化や自然保護に重点を置き、しっかりと外貨を国に落としてもらうための政策がとられています。
そのようなりゆうからブータン入国については必ず旅行会社を通さなければ入国することができません。
そして、1日200ドル以上を滞在期間分前払いをすることによって、同国内での宿泊や移動にかかる費用、食事代などが用意される仕組みになっています。
また、同国内滞在中は必ずガイドが同行する必要があります。
このガイドの費用についても先ほどの金額に含まれています。
こういった理由があることからブータンでの格安バックパッカーのような旅をすることができないため、なかなかブータンへ気軽に旅行に行ったといった話を聞くことが少ないのです。

いかがだったでしょうか。
近年日本のメディアでも取り上げられることが増えてきたブータンですが、なかなか身近に旅をしてきたという人が少ないのは、ブータンの国策によるものだったのですね。
ブータンの旅では、現地の一般家庭へのホームステイなどのブータン固有の文化を体験できるプログラムが数多く用意されているのだそうです。
少しお高い旅にはなるかもしれませんが、一度はこの幸せな国民がいるブータンへと趣き、幸せって何なのだろう?と改めて問い直してみるのもいいかもしれませんね。