スイーツ大国台湾。
台湾でブームになったスイーツが数々日本に輸入され、日本でもブームを起こす。
それほど無視できない存在になってきた台湾です。
今では定番のタピオカから始まり、台湾式かき氷や豆花などなど。
スイーツでは右に出る者はいないほどの国です。
そんな台湾で、これぞ台湾土産といわれると何を思い浮かべますか?
長年台湾土産で定番の位置を築いてきたのは、パイナップルケーキではないでしょうか。
今でもなお、どこに行っても必ず置いてある個包装のパイナップルケーキ。
価格帯も安い物から高いものまでピンキリで大量に用意されている定番中の定番です。
そんな定番のパイナップルケーキですが、なぜ台湾土産の定番になったのでしょうか。
また、これだけ価格帯に開きがあるのはなぜなのでしょうか。
今回は台湾土産の定番であるパイナップルケーキについて調べてみました。
というわけで、今回のわきみちは、
台湾の食に関する記事です。



パイナップルケーキ
パイナップルケーキとは、その名の通りパイナップルを使って作られた餡が入った一口大の小さなケーキであり、台湾土産としては非常に定番になっている一品です。

小麦粉や卵などを使って柔らかく焼き上げられた皮に包まれた風味豊かなパイナップル餡は、南国のさわやかさを感じさせてくれる一品です。
5cmほどの長方形の形をしているものがほとんどであり、小麦粉・バター・卵・牛乳・砂糖を使って洋菓子のように焼き上げられたサクサクした食感の皮の中に、パイナップルをたっぷりと用いた案が入っています。
食感を高めるために、瓜(トウガン)などを加えているものがほとんどになっています。
瓜(トウガン)を加えるのは、パイナップルだけでは酸味が強すぎるので、それをコントロールする意味もあるのだそうです。
なぜ台湾でパイナップルケーキ?
それはもちろん台湾がパイナップルの一大産地だからです。
近年では、台湾のパイナップルを中国が輸入ストップしたため、代わりに日本の台湾パイナップル輸入量が激増し、街中のスーパーなどでも見かけることが増えてきたのではないかと思います。
これまで日本の主要な輸入先だったフィリピンのパイナップルと比べると、芯まで食べられるパイナップルもあるなどして、とにかく注目を集めている台湾産パイナップルです。
しかしそんなパイナップルの一大産地である台湾でパイナップルが本格的に栽培され始めたのは、かつての日本統治時代なのだそうです。
そして、本格的な栽培開始から数十年で世界を代表する一大産地となっていきます。
その頃のパイナップルの用途としては、生のまま輸出するのではなく、おなじみのパイナップルの缶詰の状態で輸出されていきました。
そんな台湾産パイナップルでしたが、フィリピンなどとの競争が激化し、輸出目的に生産したとしてもそれほどメリットが高くない農産物となってしまいました。
そこで台湾は方針を転換し、パイナップルを主に国内で消費する方向に変えていきます。
そして、1980年ごろからこの方針になるに伴って、国内産のパイナップルを使ったパイナップルケーキが推奨されるようになっていきます。
現在では台湾全土で見かけることができるパイナップルケーキ。
お土産だけではなく、「自分たちこそが元祖だ!」と言い張る店が乱立しているようになっていますが、どこが元祖なのかは特定できないようになっているのだそうです。
台湾の定番土産だったパイナップルケーキですが、安く販売するためにパイナップルケーキとは名ばかりの商品も大量に出回るようになります。
パイナップルは使わずに、果実の代わりに瓜(トウガン)だけを用い、果汁の代わりに香料を用いる、名ばかりのパイナップルケーキがたくさん市場に出回るようになります。
確かにこれらの商品は値段で言うと非常に安いものです。
しかし、台湾パイナップルのさわやかな美味さは到底及びません。
ところが、その反面で、パイナップルを100%使った餡を用いた本物志向のパイナップルケーキも出てくようになります。
フェイクのものは淘汰されていき、本物が残る。
これはどこの国でも同じなのかもしれませんね。
いかがだったでしょうか。
台湾定番のパイナップルケーキ。
地産地消という意味では、国を挙げて推奨している定番のお菓子なのですね。
あまりにバリエーションが多いので、購入時に困ってしまうところがあるものなのですが、台湾の土産店では大体は味見をすることができます。
まずはパッケージの裏側の原材料名をしっかりと確認し、納得いくまで味見をしてから、お気に入りの一品を見つけてみてはいかがでしょうか。