812【雑記】これが国なのか!?世界に国は数あれど、これほど奇妙な国は他にはない『シーランド公国』

世界のわきみち(World)
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世界最小の国といえばどこでしょうか?
知る人ぞ知る世界最小の国家といえば、イタリアのローマにあるバチカン市国でしょう。
キリスト教カトリックの総本山であり、ローマ教皇によって統治される国家であり、世界最小の国家として知られています。
その大きさはわずか0.4㎢であり、日本にある東京ディズニーランドよりも小さな面積でしかない国家なのです。

世界から認められた世界最小国家はバチカン市国なのですが、これよりもさらに小さい”自称”世界最小国家が世界にはあるのです。
その大きさはというと、0.0002㎢。
バチカン市国と比べても、2000分の1という極小サイズの国家が世界にはあるのです。
その名をシーランド公国といい、イギリス南東部の沖合10kmほどのところにある国家なのです。
ところが、その写真を見てみると、どうみてもここが国家なのか?という感想がほとんどでしょう。
なにせ、陸地一つなく、どう見ても海の上に浮かんでいる要塞でしかないのです。
今回はこの謎の国家、シーランド公国について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 世界に数ある国家の中でも、比較にならないほどの小さい面積のシーランド公国。なぜここは、自称国家として主張し続けているのでしょうか。

シーランド公国

※写真はシーランド公国とは関係ありません。

シーランド公国は、イギリス南東部の10kmほどのところにある”自称”世界最小国家です。
正式に世界最小国家として認められているバチカン市国と比べても、2000分の1ほどの大きさしかないのがシーランド公国なのです。
一見すると海に浮かぶ要塞のように見えるこの国家なのですが、国家創設からすでに55年を迎えるほどの歴史をもつ場所なのです。
しかし国家創設以降、世界中でどこの国もこのシーランド公国を国家承認してはいません。
では、この”自称”世界最小国家はどのようにしてこの世の中に現れたのでしょうか。

シーランド公国は、そのいでたちからもわかるようにかつては防衛のための海上要塞でした。
シーランド公国の前身である要塞フォート・ラフスは、1942年から建設されました。
イギリスが第二次世界大戦のさなかに、沿岸の防衛拠点として4つの海上要塞、総称してマンセル要塞を建造しました。
その中でも最も北側に位置していたのがフォート・ラフス、つまりシーランド公国です。
沿岸から10kmのところにあったフォート・ラフスは、海の砂堆の上に、巨大な柱を2本沈め、その2本の柱の上に防衛拠点となる居住区や、対空砲台などが設けられていました。
しかし、大戦が終了した後、1956年にイギリスはこの要塞を放棄します。

そんな国家から放置されていて、あとは朽ちていくのみを待つだけだったこの場所に、1967年ある人物が目をつけます。
その人物とは、元イギリス陸軍少佐のパディ・ロイ・ベーツでした。
ロイ・べーツは、この要塞を不法占拠し、独立を宣言。
この要塞をシーランドと改め、その国家の公殿下と名乗るようになります。

もちろんのことながら、イギリスとの司法での対立が勃発しますが、イギリスの領海外に存在していたこともあって、イギリスの四方ではこのシーランド公国に関する案件は管轄外とされてしまいます。
イギリスが手が出せなくなったシーランド公国には、独立国家として必要な憲法・国旗・国歌が後に成立されることとなります。
その後も、ことあるごとに、イギリス政府に対して抵抗し続けながら国家として運営を続けていくことになります。

なかなかに無理やりな歴史を経て成立したシーランド公国ではありましたが、内部ではクーデターによるロイ・ベーツの追放や、亡命を経て再びシーランド公国を奪還したりするなど、一筋縄ではいきませんでした。

如何せん、陸地に作られたのではない、人工国家であるシーランド公国。
創設から50年以上を経ていることもあって、設備の老朽化は顕著になりつつあります。
その中で最も危機的状況をもたらしたのが、2006年の火災事故でした。
老朽化した発電機から火災が発生し、国土が半焼する事態に陥ります。
一つの要塞が国土のすべてであるシーランド公国。
国土が半焼するということは、コカとして壊滅的な状態となります。
しかし、ロイ・ベーツとその夫人は国外にいたため無事でした。
国土に戻ったロイ・ベーツ夫妻は、再び国土を再整備し、公国は引き続き存在することとなります。
しかし、再整備からすぐ後の2012年にもディーゼル発電機から発火したことによって、再び領土の大部分が壊滅的な被害を受けてしまいます。
そんな経緯もあって、現在のシーランド公国は太陽光発電と風力発電という再生可能エネルギーを国家の発電方法の主な手段としています。

初代元首であったロイ・ベーツの逝去後は、息子のマイケル・ベーツがその地位を継いで国家運営にあたっています。
しかし、そんなシーランド公国であるのですが、陸地に尊座する国家ではなく、人工的な構造物上に設立している国家であるため、現在もなお、独立国家として承認されてはいません。

なお、シーランド公国の国家としての主な収入源は、ネット通販です。
しかもただのネット通販ではなく、同国の貴族の称号を買うことができるというのだそうです。
「卿」の称号は約4000円、「伯爵」の称号は約3万円、「公爵」の称号は(約7万円)だけ支払ってしまえば簡単に取得することができてしまいます。
世界中でも大人気の商品なのだそうです。
日本でもバラエティー番組などで、このシーランド公国が提供した称号を購入した人もいるのだそうです。

いかがだったでしょうか。
世界にはまだまだ不思議な場所があるものですね。
歴史的にみると、こんなことで国家が成立するの?
と思ったりするのですが、実際不思議な場所が存在するものなのです。
なかなか訪れることが難しい世界のレアなスポットではありますが、(その前に訪れたとして、何もないのところなのですが・・・)そういったレアなスポットであっても、今ではネット上でその情報を気軽に得られる時代になったものですね。