映画の世界というのは昔も今も旅のきっかけに成りえるものの一つなのです。
映画で出てきた国や町、名所に行ってみたい!
映像の中の一場面を実際に体験しに行ってみた人は少なくないのではないでしょうか。
今回紹介している映画は、その元祖ではないかと思います。
日本では1954年に公開されたこの映画ですが、この映画を見て、映画の中で出てきた様々な舞台を巡りに行く!
という行動に出た人々も多かったと聞きます。
その映画の名前を『ローマの休日』といいます。
あまりにも有名すぎるこの映画なのですが、イタリアのローマを全世界に向けてPRしたという意味では、とてつもない功績を持った映画なのではないかと思います。
今回はこの世界的に影響を与えた映画、ローマの休日について紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
映画に関する記事です。















映画『ローマの休日(1953)』

ローマの休日は、アメリカで製作された映画です。
1953年に本国で上映され、日本では翌年1954年に公開された映画です。
主人公であるアン王女をオードリー・ヘプバーンが、新聞記者をグレゴリー・ペックが演じた伝説的な映画です。
美しいローマの町で繰り広げられる王女と新聞記者との一日だけのラブストーリーなのです。
この映画の世界的な反響はすさまじく、多くの人々に影響を与えたのでした。
2人が訪れたローマの名所数々。
アン王女が映画の中で披露したショートヘアーの髪型が、ヘップバーンカットと呼ばれて多くの女性が真似をしたこと。
映画で2人が乗っていたスクーターのベスパ。
映画全編は白黒映画となっていますが、白黒だからこそ、見ている人々が想像を膨らませ、より映画の舞台に思いをはせていたのではないでしょうか。
多くの人々を虜にした映画、ローマの休日。
すでに主演の二人は鬼籍に入っていますが、ローマを舞台にした美しい光景は、これからも永遠に残りづ付けます。
名前は知っているけれども、実際に映画は見たことがないなあ、という人も多いかもしれません。
今でもあらゆるところで見る機会がたくさんあるローマの休日を一度は見てみませんか?
日本語吹き替え版もあるため、手軽に楽しむことができる映画作品なのです。
物語は、ヨーロッパ某国の王位継承者であるアン王女が、ヨーロッパ各国を表敬訪問中に、連日のように強行される過密スケジュールと幾度となく用意されていたセレモニー出席などにうんざりしてしまっています。
そんな王女は、イタリアのローマで滞在していた宮殿をひそかに街中に抜け出すのです。
そこで出会ったアメリカ人新聞記者のジョーと出会ったことで、王女と新聞記者のローマを満喫するひと時が始まるのです。
ジョーは、アン王女の写真記事を見て、王女の素性に気付いていたものの、新聞記者としてスクープを得るために王女と共にローマの街中を楽しんでいくのです。

市場での買い物。
美容院で美しい長い髪を短く整え。
スペイン広場でジェラートを堪能する。
その後は、スクーターのベスパに乗ってローマ市内の各所をまわります。
コロッセウム。
ヴェネツィア広場。
真実の口。
祈りの壁。
今では誰もが知っているようなローマの名所の数々を訪れたアン王女は、サンタンジェロの洗浄パーティーに参加していた際に、追っ手に見つかってしまいますが、川へ飛び込むことによって追っ手から逃れることに成功します。
特別な一日を過ごしたアン王女とジョーの間にはお互いに強い恋心が芽生えています。
しかし、そのお互いを思う気持ちは、二人の立場の違いが大きく障壁となってしまいます。
二人は本当の想いをお互いに言い合うこともなく、アン王女は宮殿へと戻り、ジョーはアン王女との思い出の数々を記事にすることはしませんでした。
アン王女は、この表敬訪問で最も思い出に残った場所をローマであると記者会見で発言をします。
その場に記者として参列してたジョーと見つめあう二人。
ローマでの休日は2人だけの思い出として2人の心の中にしまわれたのでした。

いかがだったでしょうか。
安易に映画の最後で二人が結ばれるのではなく、お互いにそれぞれ自分の元ある生活に戻っていく。
そういったところにリアリティが感じられることから、公開から半世紀以上経った今でもなお、人々の心に残り続けている映画となっているのではないでしょうか。
思えば、映画が旅のきっかけになったというのは、この映画頃からではないでしょうか。
当時は海外旅行も一般的ではなかった時代。
今以上に映像で伝えられる世界の名所の様子は人々の心を掴んだのではないかと思います。
そんな伝説的な映画が今でも気軽に楽しめる。
今だからこそ、一度は見ておきたい作品ですね。