854【雑記】世界で2番目に人口が少ない島国『ニウエ』

世界のわきみち(World)
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前回紹介したバチカン市国は世界最小の国家でしたが、それに加えて世界で最も人口の少ない国でした。
バチカン市国はなかなか特殊な国であり、カトリック教会の総本山でそこに従事する人たちが暮らす国であったため、その人口が少ないのもなんとなく理解はできました。

では、それに次いで人口が少ない国とはどこなのだろうか、ということで調べてみると、やはりそれはとある島国でした。
その国の名は『ニウエ』。
おそらく全くピンとこない名前ではないでしょうか。
しかもどこにあるのかということもわからないのではないでしょうか。

日本が国家として承認したのが2015年であり、それなりに新しい独立国家であることがわかるこの国。
一体どういった国なのか調べてみることにしました。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 世界で二番目に人口の少ない国家ニウエ。なじみのないこの国について調べてみましょう。

ニウエ

ニウエは太平洋に浮かぶ島国です。
その大きさは259㎢しかなく、日本で言うと奈良県の奈良市よりも小さな国です。
その国土は世界最大のサンゴ礁の島であり、島の中に山岳や湖などはない環境となっています。
気候は熱帯に分類されるサバナ気候となっており、4月から10月までの乾季と、11月から翌年3月までの雨季とに分かれています。

ニュージーランドの北東2000km以上のところに位置している国であり、元はニュージーランドの属州でした。
ニウエの主な産業は島国であることから漁業と農業が主であり、その他にも観光業を生業としています。
農業ではその気候を生かし、主食であるタロイモやキャッサバといった芋類を中心に、バナナなどの南国のフルーツやココヤシといった栽培がされていますが、ただでさえ小さな国土に加えて、水不足やサイクロンが頻繁に襲い掛かることから農業だけを中心とした経済発展は望めませんでした。
そのため、1990年代からは観光業に力を入れようとしていますが、観光資源という点からも魅力に乏しく、大きな発展は見られない状況になっています。
ニウエに訪れるためには、ニュージーランド航空が定期便を運航しています。
ただし、本数がかなり限られていることから、同国が観光業で反転していくということはかなり限定的なものとなっています。
太平洋の島々というう立地の難しさもありますが、こういった理由からもニウエは農業以外になかなか産業が育たない状況が続いているのです。

現在もニュージーランドとの結びつきは強く、自国内の産業の脆弱性からニュージーランドへ出稼ぎに出て本土へ送金を行ったり、国としても経済的な援助を受け続けています。
また、仕事の少ないニウエからニュージーランドへ移譲したりといったことも頻繁にあるのだそうです。
そういった事情もあるためニウエの人口は減り続けており、現在では1500人ほどしか国内には暮らしていません。
人口構成では、サモア人の血を引いたニウエ人が9割を占め、そのほとんどがキリスト教を信仰しています。
言葉は独自のニウエ語を使っていますが、英語も公用語の一つとなっているので、実は観光もしやすい国の一つとなっています。

国内の政治は、ニュージーランドとの結びつきが依然強く、ニュージーランド女王を元首とした立憲君主制となっています。
そういったことからニウエは1974年に独自のニウエ憲法を制定して独立して以来、ニュージーランドとは自由連合関係となっており、防衛や外交はニュージーランドに委任する形をとっています。
その後は各国との外交関係を樹立していき、日本も2015年にはニウエを国家承認しています。

ニウエはその位置関係からもわかるように太平洋に浮かぶ島の一つであることから、大航海時代を迎えて発見された島の一つでした。
それまでは人類が生息しており、かつて13~16世紀に存在していたトンガ大首長国の勢力下にあったのではないかと言語学上から推測されています。
古くはいつごろからこの島に人々が住み始めたのかはっきりしたことはわかっていませんが、紀元前の頃から人類が到達していたのではないかと考えられています。

18世紀になるとヨーロッパ人によって島が発見されることになりますが、実際に進出してきたのは19世紀中ごろです。
20世紀になるとクック諸島の一部としてニュージーランドの属領となりました。
その後は1974年に独立するまではニュージーランドの一部として存在していました。

いかがだったでしょうか。
太平洋には数々の島々があり、その中には小さいながらも独立国家として存在している国々もあります。
なかなか知らない国も多かったり、行ったこともほとんどの人がない国ではありますが、同じ太平洋に存在する国家として、太平洋内でもっと行き来が自由かつ頻繁に行われるようになれば、もっとこの国の観光価値も高まっていくのではないかと思いました。