日本百名城の栄えある登録ナンバー001。
北海道根室にある根室半島チャシ跡群。
1番でありながら、北海道の中でも唯一道東の離れたところに存在する百名城。
そんなところに城などあるのか?と誰もが口にすることでしょう。
そう思うかもしれませんが、あるんですここには。
チャシが。
チャシ・・・??
城でなくて???
そうです、チャシです。
これが城なんです。
確かに今見に行ってみると、そこに作られたものは上物の姿かたちをとどめていませんが、半島に施された跡は今もまだ残り続けているのです。
ではこのチャシとはいったい何なのか?
今回はこの日本百名城の中でも最難関といわれている根室半島チャシ跡群について紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
道東の記事です。

















根室半島チャシ跡群
身の回りにもいませんか?日本百名城のコレクターが。
そんな日本百名城のコレクターたちにとって最難関といっても言い過ぎではないほどの場所があるのです。
それが、北海道は道東の町にある根室にあります。
そんなところにあるの?
という気もしますが、実はあるのです。
しかし、城が多く建てられた戦国時代から江戸時代にかけて。
北海道の地は、まだ日本ではなかったのでは??
と思うかもしれませんよね。
この北海道にある城というのはチャシと言います。
そして、日本百名城には根室半島チャシ跡群として登録されています。
チャシ?城でなくて??
そうです。チャシです。
チャシとは、北海道に暮らしているアイヌの人々によって造られた、主に16世紀から18世紀ごろに半島を利用して造られた砦の跡なのです。
チャシという言葉そのものは、この砦という意味や策で囲われた場所という意味を持っています。
半島に主に作られているのは、半島の断崖上の自然地形を生かした造りになっているためです。そこに堀や土塁、盛り土などをして造られています。
根室半島にあるほとんどのチャシは、海抜5m~50mほどのところの半島に堀を巡らせた面崖式(めんがいしき)がほとんどになっています。
中には丘陵などにも造られている丘先式のものもあるのだそうです。
百名城なので一般的な城をイメージするかもしれませんが、自然の地形が前面に出た単純な構造のものなのです。
用途としては主に戦いのための砦としてのものですが、それだけではなく、見張りに使われたり、祭祀に使われたり、人々が集会で利用したりと様々な活用がされたと考えられているのです。
ただし、残念ながらチャシは堀などの遺構はその様子がわかるものの、チャシ内にどのような建物が設けられていた仲ということは、資料が残っていないことから現在もわかっていないのだそうです。
そんなチャシの跡が北海道全域、主に道央から道東にかけて約700近く存在していたことが確認されています。
もしかしたら、かつてはまだまだあったのかもしれません。
その中でも道東の根室半島にはチャシが集中しており、32か所が確認されているのだそうです。
そのうちの24か所が国指定史跡に指定されており、2006年には日本百名城に根室半島チャシ跡群として登録されています。
根室半島チャシ跡群として登録されているチャシ
1.ポンモイチャシ
2.ヲンネモトチャシ(☆)
3.ヒリカヲタチャシ
4.トウシヤム1号チャシ
5.トウシヤム2号チャシ
6.コンブウシムイチャシ
7.サツコタンチャシ
8.ノツカマフ1号チャシ(☆)
9.ノツカマフ2号チャシ(☆)
10.コタンケシ1号チャシ
11.コタンケシ2号チャシ
12.シエナハウシチャシ
13.アツケシエト1号チャシ
14.アツケシエト2号チャシ
15.ニランケウシ1号チャシ
16.ニランケウシ2号チャシ
17.ニランケウシ3号チャシ
18.ヲーナイ1号チャシ
19.ヲーナイ2号チャシ
20.ウエンナイチャシ
21.チヤルコロフイナ1号チャシ
22.チヤルコロフイナ2号チャシ
23.ニノウシチャシ
24.アフラモイチャシ
当ブログでは、実際に訪れた(☆)ヲンネモトチャシと、ノツカマフ1号チャシ・2号チャシについて個別に紹介する予定です。
この3か所のチャシは、見学がしやすいように比較的整備されているチャシになります。
アクセス
根室半島チャシ跡群として、根室半島にある24か所のチャシがチャシ跡群として登録されています。
根室半島チャシ跡群に行ってみた。
それでは根室半島チャシ跡群に行ってみましょう。
今回はここにざっくりと見るだけにして、後々詳細に紹介していきたいと思います。

まずは、ヲンネモトチャシ跡です。
ここは根室半島にあるチャシ跡の中で最も整備されて見やすいチャシなので、ほぼすべての人が訪れることになる場所だと思います。

堀の様子などの、半島に設けられたチャシの構成が最もよく見えるかと思います。

ただし、夏場などの草が生い茂る時期は、チャシがどのような形なのかはあまりわからなくなってしまいます。
かといって冬に訪れるのは苦行です。
ネット上には航空写真があるので、全域を見たい場合はそちらの方がいいかもしれません。

半島のかなり高い所に存在しています。
柵などは設けられていないのでご注意。

半島をそのまま生かしているのはなかなか賢い造り方ですね。

続いてノツカマフ1号チャシ・2号チャシですが、こちらはヲンネモトチャシよりも半島まで歩く距離が長く、草がかなりボーボーなので、雨上がりなどに行くと靴が再起不能なほどグチョグチョになります。

看板の左右に1号チャシと2号チャシとが分かれています。
1号チャシの方が、遺構の様子がよく分かったように思います。

道らしき道を進んでいくと、ノツカマフ2号チャシがあります。

半島のひらけた場所に出ます。
ここに柵が張り巡らされ、何らかの建物が設けられていたのでしょうか。

ノツカマフチャシからh、1号から2号が、2号から1号が、遠目に見ることができ、半島にどのように造られているのかが確認できるようになっています。



続いてノツカマフ1号チャシです。
こちらの方が、堀の跡などはよくわかりました。





いかがだったでしょうか。
次回は、今回も紹介しているヲンネモトチャシとノツカマフ1号チャシ・2号チャシについて個別に紹介する記事を更新していきたいと思います。