1991年。
世界に存在していた超巨大国家があっけなく崩壊を迎えます。
その国の名をソビエト社会主義共和国連邦、通称ソ連です。
地域や国民の名前ではなく、イデオロギーが克明になっている、世界初の社会主義国家であったソ連。
末期に向かうにしたがって、国としてのほころびが大きくなっていく中で、とある3つの国の独立が、ソ連崩壊を加速させることとなりました。
ソ連崩壊の前年である1990年。
バルト海の東岸にある3つの小国、通称バルト三国がソ連からの解放を果たします。
その3か国とは、ラトビア、エストニア、リトアニアの国々です。
歴史の表舞台に上がったこの3つの小国は、世界規模の政変の時にとてつもない存在感を示していたのです。
そして、現代。
バルト三国は、世界の中にその存在感を示すかのようにまた新たな局面を迎えつつあるのです。
今回はこのバルト三国とはどのような国々なのか調べてみることにしました。
というわけで、今回のわきみちは、
バルト三国

バルト三国とは、ヨーロッパ北欧にあるフィンランドの南、バルト海の東岸にある3つの小国です。
北からエストニア、ラトビア、リトアニアであり、ユーロ利用に加盟している国々です。
現在は3つの国それぞれが独立した国家となっていますが、隣接するロシアとの関係が非所に深く、かつてはロシア帝国やソビエト社会主義共和国連邦の統治下にあった歴史をもつ国々です。
隣接する国ではあるものの、3つの国はそれぞれ独立した歴史をもっています。
まず、エストニアです。
エストニアは3か国の中でも最も北にある国であるため、さらにその北にあるフィンランドとつながりの大きな国です。
民族としてもフィンランドと同じ民族であり、言語的にも近くなっています。
宗教はヨーロッパの国としては珍しく、無宗教の人々が多い国となっています。
次にラトビアです。
ラトビアは、元々はリーヴ人という先住民族が住んでいた地域でしたが、13世紀にドイツ騎士団の征服によってほぼ民族は消えてしまったため、のちに入ってきたバルト人による国となりますが、その後も様々な国による支配を受け、18世紀になってロシアとの関係が深くなった国となっています。
ラトビアではキリスト教プロテスタントの人々が多い国となっています。
最後はリトアニアです。
札の国でも一番南にあることから、ドイツな土との抗争が多かったため、隣国であるポーランドと強い関係を結んでいました。
ポーランドからも強い影響を受けた国であるため、カトリック信者が多い国となっています。
このようにそれぞれの歴史をもつ三国ですが、18世紀になるとそろってロシア帝国の統治下に入ることになります。
ロシア革命ののちに一旦は三国は支配体制からの解放を達成するのですが、第二次世界大戦中にソビエト連邦と三国とが相互援助条約を締結したこともあって、1940年にソビエト連邦の統治下に入ることとなります。
大戦中にはナチス・ドイツの侵攻にもあった地域ですが、大戦後には再びソ連の影響下に入ることとなります。
長らく40年以上はソビエト社会主義共和国連邦内の構成国としてのポジションとしてあり続けますが、1980年代にソ連内でペレストロイカなどの国家の立て直しの政策が進められるにしたがってソ連内のあちこちで独立回復運動の機運が高まります。
そして、ソ連を構成する共和国の中で最も早く1990年8月に三か国は独立を果たし、それがきっかけでソ連が崩壊することへの大きなきっかけに成りました。

現在のバルト三国
現在のバルト三国は、それぞれNATO、EU、OECDの加盟国となっており、共通して通貨もユーロが用いられています。
中世の色合いの残る街並みをもつ三か国には、広大な自然も数多く感じることができ、四季折々の素晴らしい姿を見せてくれる国となっています。
しかし、そういった歴史的な姿を見せてくれる半面、バルト三国のエストニアやリトアニアは世界的にも最先端を走るほどのIT先進国だといわれており、世界各国からロールモデルとして参考にされるほどになっています。
その中でもエストニアの発展はすさまじく、それはSKYPEを開発した国であるということからもわかるでしょう。
そもそも政府が電子政府化を達成しており、人々の日常生活でもITによるシステムが欠かせないものとなっています。
また、個人情報を守るためのぎじゅ力も高く、世界をリードするほどの国となっています。
添えに続いているのがリトアニアであり、国としてITを前面に据えた国家運営が行われています。
ITの高度なスキルをもった人材を数多く輩出しており、数々のスタートアップ企業も誕生するほどの国となっています。
このように国土だけを見るととても小さな三か国ではありますが、その小ささからは考えられないような存在感を世界各国に示し始めている国々なのです。
いかがだったでしょうか。
あまり渡航先としては名前の挙がらない三か国かもしれませんが、そこに根付く自然や歴史、最先端の九人状況などは、世界から一目置かれる国々となっています。
国全体を見て回ったとしても大きくはない国々なので、ヨーロッパ渡航の際には足を延ばしてみてもいいかもしれませんね。