883【城ノウハウ】城の中から、迫りくる敵に相対する設備。ここから狙われたらひとたまりもない『狭間』

百名城/続・百名城(Castle)
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お城には様々な設備が設けられています。
万が一の時には攻防の拠点となる
迫りくる敵に対して仕掛けるための設備が設けられているのは当然のことですよね。

城の中を見て回っていると、塀に無数の穴があけられていることに気付いたことはありませんか。
何のための穴だろう・・・と思っていたかもしれませんが、これらの穴ももちろんただの壁に設けられた装飾ではありません。
この穴は”狭間“といい、やってくる敵を倒すためにどの城にも設けられた、築城の際には当然のごとく設けられたものなのです。

ではこの狭間なのですが、どのように使われるものなのでしょうか。
今回はこの狭間について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 迫りくる敵を迎え撃つには必須の設備の狭間。シンプルなものでありながらその効果は抜群なのでした。

狭間

城を守る設備は数多くあります。
強固な防御力を得るためには、城の周りを取り囲む塀は欠かすことができない設備ですよね。
しかし、強固に城を守る塀ではありものの、デメリットはあります。
それは塀があるために中からも自由に外を見ることができず、さらには敵を迎撃することが難しくなることです。

この塀のデメリットをメリットに変えるためのものが狭間なのです。
狭間とは、塀を見てみるとそこに設けられた穴です。
△や〇、□など様々な形がありますが、これを設けることによって塀がありながらも城の内部から敵を迎撃することができるようになるのです。

狭間は塀に単に穴があけられているのではなく、内側から外側に行くにしたがって穴が絞られる作りとなっています。
これは、城の内側からは迫りくる敵を広く見つけることができ迎撃することができるためです。
反対に外側の穴は小さくなっており、城を攻め落とすときに外側から攻撃がしにくいようになっています。
単純な造りではあるものの、なかなかに考えられた設備なのです。

狭間は使う武器ごとに異なる作りになっています。
塀の高い位置に設けられた狭間は、立って用いる弓のための矢狭間と呼ばれている立狭間です。
また弓狭間とも呼ばれています。
形も縦長の長方形の形をしています。
また、塀の低い位置に設けられているのが、膝をついて照準を合わせる鉄砲のための鉄砲狭間です。
居狭間とも呼ばれています。
鉄砲ざまの中には、〇の形をした丸狭間、△の形をした鎬(しのぎ)狭間、□の形をした箱狭間があります。
これら以外にも、大砲のための大砲狭間といったものまであります。

狭間は塀にこれらの形の穴をあけて、そこに桶や板で枠を作って壁に埋め込みます。
塀に設けられる狭間以外にも、天守や櫓などの建物に設けらる狭間もあります。
建物に設けられた狭間は、普段はわからないように木蓋が取り付けられるなどしてある場合が多いようです。
この隠されている狭間は隠し狭間とも呼ばれています。
築城時に狭間として設けられるのではありますが、普段は漆喰でその穴をふさいでおり、一見すると壁にしか見えないようになっています。
この隠し狭間は、いざというときに内側から鉄砲でその漆喰を突き破って建物内から攻撃することができるようになっています。

また、大坂城や江戸城などの江戸幕府によって設けられた城には、石垣に設けられた石狭間という狭間というものもあります。

特に大阪城にはこの石狭間が多く使われており、幕府によって城が回収された際には数多くの石ざまが設けられるようになっています。
大阪城の石狭間は、石垣の一番上に配されたの延石を加工して作り、その上に塀を設けることによって作られています。

姫路城にはなんと建物内にある小部屋から、建物内を狙う狭間があります。
これは、敵に進入された場合に進入してきた敵を狙うための狭間なのです。
これらは、城としては抵抗するための最終手段となっています。
天守内に進入したからと言っても最後の最後まで気が抜けない。
城を落とすということはそれだけ大変なことなのです。
シンプルに設けることができる設備であるために、どの城にも数多く設置されているわけですよね。

いかがだったでしょうか。
塀に無数に設けられた狭間を見てみると、城が単なるシンボルではなく、攻防の拠点であることがよくわかりますよね。
実際に城の内部から狭間を通して外側を見てみると、かなり広い範囲を見ることができることに驚くのではないでしょうか。
単純な構造ながら、その効果は大きい。
長い年月をかけて人々が考えてきた設備には、当時の人々の思いがあふれているのです。
いつの時代になっても、工夫一つで大きな効果を得ることができるものをいうのは造ることができるわけです。
城を見て回るときには、この狭間にも目を向けてみるのはいかがでしょうか。