ダムには様々な理由があって作られます。
川の流れの途中にダムを造り、その流れをせき止めることによって谷あいに水をためることによって洪水を防ぐという目的で造られる事が多いですね。
それ以外にもたくさんの用途があって、発電目的で造られたり、農業用水を貯めるために作られたりもします。
今回紹介している奈良県にある白川ダムもこういった目的をもって造られたダムです。
このダムは、元々の用途に加えて、新たな用途を付け加えるために改良工事が行われて現在の形に至っているダムとなっています。
さらに、なんとこのダムの歴史なのですが、古くからのそのルーツをたどってみると、なんと100年近い歴史をもつ伝統あるダムとなっているのです。
それだけ聞いても、行ってみなければ!となりそうですよね。
では、奈良県の白川ダム(※白川ダムという名前だけで調べてみると、山形県にある最上川水系の白川ダムも出てきます。)について紹介をしていきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
木津川系のダムに関する記事です。





白川ダム【奈良県】
白川ダムは奈良県の天理市にあるダムです。
このダムは大阪に流れ込む大和川水系にあり、楢川そしてその先で高瀬川へとつながっていき、これら地域の洪水調整のために造られました。
この白川ダムなのですが、工事着工されたのが1991年のことであり、完成したのが1998年のことでした。
現在25年ほどの歴史のあるダムではあるのですが、この場所にはそれ以前にもあるものがありました。
そのあるものとは、農業用に水を貯水するための白川ため池と呼ばれるため池が同じ場所にありました。
この白川ため池が造られのが昭和8年のこと。
トータルで考えるとすでに100年ほどの歴史があるダムとなっています。
白川ため池だった当時の堤高は25.5mでした。
農業用の貯水ため池だった白川ため池でしたが、この古い堤体に新しい堤体を取り込んだ形で築かれ、堤高事態を4.5mかさ上げして30mの堤高にし、堤の体長を516mの長さにすることによって従来よりも貯水能力を高め、新たに50万㎥を確保できる場所と改築されます。
なぜそのような改築がなされたかというと、従来からの農業用水のため池としての能力を損なうことなく、そこに楢川や高瀬川などへの洪水調整機能をもたせることが目的なのでした。
特に楢川は天井川であるため、河川の氾濫が懸念事項であったこともあります。
このような経緯があって、現在のような洪水調整目的と、ここからつながる農業用地約550haを潤す農業用水86万㎥もの容量を確保する貯水池として、多くの人々の生活を指させるダムとなりました。
そんな白川ダムですが、堤からは大和郡山の街並みを眺めることができます。
そのような景色の散策ができるだけではなく、スポーツやレジャーが楽しめるような多目的グラウンドなどが整備されています。
また、貯水池ではヘラブナ釣りが年間を通してできる場所として釣り人には有名な場所なのだそうです。
さらにすぐ北側には、古墳公園なる場所も整備されており、一般的なダムの周囲よりも多くの人々が楽しむことができる施設がかなりたくさん見られるように思います。
ダムカードはダムのすぐそばにある白川ダム管理センターにて入手することができます。
アクセス
JR櫟本駅から徒歩では30分ほどで到着します。
白川ダムへ行ってみた
それでは、白川ダムへ行ってみましょう。

こちらが白川ダムになります。
周辺は開けた公園のようになっており、人々が多く集まるのもよくわかります。

旧白川ため池の堤体の上に、新しい白川ダムの堤体が築かれた様子が、図入りで説明されています。

あれば取水塔ですね。

ダムのすぐ横にある側溝へと水が流れ込んでいます。
かなりの大迫力が目の前で繰り広げられています。

流れ落ちた水はその後、楢川へと流れていき、その先で高瀬川・佐保川、最後に大和川へとつながっていきます。
大阪に流れる大きな河川のルーツが、こういった奈良県の奥地にあるのです。

いかがだったでしょうか。
比較的町中から簡単にアクセスができる白川ダム。
ダム湖の周辺には、数々のレジャーが楽しめる施設があるので、奈良県だけではなく他府県からも多くの人がやってくる遊べるダム施設なのです。
ちょっとした休みが取れたらダムまで遊びに、といった使い方が気軽にできる場所になっているのですね。
釣り人達にはよく知られている場所なのですが、それ以外のレジャー目的でももっと多くの人が訪れるようになってもおかしくはない場所でした。