946【城ノウハウ】城にあったなくてはならない施設。様々な目的に用いられていた『蔵』

百名城/続・百名城(Castle)
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今回は城の中になくてはならなかったとある施設についての紹介です。
城といえば、その中には人々の生活があるのです。
そうなってくると必要になってくるのは食料ですね。
また、その藩の財政も預かっていたことから貴重品の数々も保管しておく必要があります。
さらには、国を守るための装備も保管しておかなければならない。

そのような品々を保管しておくための設備が必要になってくるわけです。
城に備え付けられていたそういった施設ですが、がありますね。

昔の家であれば、個人宅であっても備え付けられていることが多かった蔵。
日本各地にあった城にも蔵は必ず備え付けられていたのです。
今回はこの、城に必ずと言っていいほど備え付けられている蔵と、その蔵がどのような目的で使われていたのかということについて紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 城に必ず備え付けられていた蔵。しかし、現存する蔵はごくわずかしかありません。城に残る貴重な蔵の数々を見に行ってみよう。

かつて、日本全国各地にあった城には、必ずと言っていいほどと呼ばれる施設がありました。
城は攻防の施設であったり、権威を誇示するための施設であったりしますが、それだけではありません。
城の中には御殿などの居住を目的とした施設もありました。
こういった様々な目的をもった施設の数々に付属する施設として造られたのが蔵なのです。

蔵にはその目的によってさまざまな種類の蔵があります。
最も多かった蔵が、兵糧米を蓄えておく米蔵です。
さらには、米以外の食糧を蓄えておく蔵もあります。
塩を貯蔵しておくための蔵である塩蔵
味噌を貯蔵しておくための蔵である味噌蔵などです。
こういった保存が可能な食料品を貯蔵しておくことは、日常生活的にも、有事の際にも必要不可欠なことだったのですね。

蔵の種類はそれだけではありません。
何か物を貯蔵・保管しておくための施設ということなので、戦いのために必要な武器や弾薬を貯蔵しておくための武器庫がありました。
さらには火薬・焔硝を貯蔵しておく焔硝蔵などもありました。

食料や武器だけではなく貴重品が保存されていた蔵もありました。
それは御金蔵と呼ばれる蔵です。
この蔵には金や貴重品などを保管しています。
貴重な書物を保管していた蔵には文庫とよばれる蔵もありました。

このように城の中には必ず建てられていた施設が蔵であったわけなのですが、実は現存している蔵はほとんどありません。
それは、明治に廃城令によって数々の城が壊される中で、蔵についても徹底的に破却されてしまったためでした。
そういった理由から現存している蔵を探そうとすると難しいかもしれません。
特に文庫については現存するものはないのだそうです。

ではどの城に蔵は残されているのでしょうか。
大阪にある大阪城にはその広大な敷地の中に複数の蔵が残っている貴重な城跡です。
例えば、天守のすぐそばにある御金蔵は、大阪城にだけ日本で唯一残されているものです。
一般的な蔵とは違って、窓や換気口には鉄格子がはめられた厳重なものとなっているのが御金蔵の特徴ですよね。
また、武器・弾薬を貯蔵する蔵として焔硝を貯蔵する焔硝蔵も大阪城には残されています。
この大阪城の焔硝蔵は、全国で唯一すべてが石造で造られた石蔵となっています。
その理由としては、焔硝という万が一爆発してしまっては大変なものを貯蔵しているからです。
実際大坂城では、かつて焔硝蔵が大爆発を起こしたことがあったのだそうです。
そのため、1685年に同じようなことが二度と起こらないように石造りで頑丈な焔硝蔵に建て替えられ、それが現在も残されているのです。
この焔硝蔵は屋根だけは瓦葺きにして、爆発した際の威力を上だけに抜けるような造りになっているそうです。
天守は再建ですが、こういった蔵は非常に貴重な施設となっています。

それ以外の武器・弾薬の蔵となると、宇和島城に残る武器庫があります。
宇和島城は天主も現存天守であるため、見どころがさらに増えますね。
米蔵では二条城に残る米蔵が有名でしょう。

このように、そこに保管される品々や用途によって、その造りや名称も異なる蔵が建てられ、城の中で活用されていたのでした。

いかがだったでしょうか。
城の中には必ずあった蔵という施設ですが、残念ながらそのほとんどは破却されてしまっているため、今現在では実物を見ることができる場所は限られてしまっています。
だからこそ、その限られた場所を訪問してみようという意欲につながってくるのではないでしょうか。
それぞれの用途ごとに、特徴のある蔵の数々。
実際にその蔵を見てみて、かつてその蔵を造った人々の創意工夫を目の当たりにしてみてはいかがでしょうか。