956【雑記】習ったことはあるけれど、実際どのような場所でいつ使われていたのか『楔形文字』

雑記
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楔形文字(くさびがた)という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
おそらく学校の世界史の時間に必ず出てくる言葉だと思います。
なつかしいなあ、というような感じでしょうか。

楔(くさび)とは、V字型にとがった加工をされた木片や鉄片のことです。
隙間に打ち込んで木や石を割ったり広げたり、物の継ぎ目に売ったりするものです。
この楔に似ていることから楔形文字と呼ばれるわけです。
硬い粘土板に彫られたこの楔形文字は、かつてのメソポタミア文明で主に用いられていた文字なのです。

世界に数多ある文字の中でも古代エジプトの象形文字と並ぶほど歴史のある文字であり、人類史の中でも重要な言葉なのです。

ところが、この楔形文字。
どのように読む文字なのかはわからないですよね。
現代では使われなくなったこの文字なのですが、どのような文字であり、読み方のルールがあるのでしょうか。
今回はこの楔形文字について調べてみることにしました。

(※楔形文字学習の内容ではありませんので楔形文字について勉強を始めるきっかけ程度の意識で読んでいただければと思います。)

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • かつてメソポタミア文明で使われていた楔形文字とはどのような文字だったのでしょうか。

楔形文字

楔形文字とは、古代メソポタミア文明で使用されていた文字です。
メソポタミア文明の地域とは、現在の中東地域。
この地域を流れるチグリス川とユーフラテス川に囲まれた平野部で発祥した文明です。

楔形文字は日本国内の名称ですが、この訳となった元々の言葉はcuneiformといいます。
これは、楔を表すcuneusと、形を表すformaから作られた造語であり、世界では一般的にこの言葉が使われています。

この楔形文字とは、粘土板に葦を削ったペンで刻んで書かれています。
このような書かれ方をするため、その文字は楔に似た形をしています。
この楔形文字を用いて、アッカド語やヒッタイト語、古代ペルシア語などの言語を表記する際に用いられました。

元々はシュメール人が絵文字として発明した文字が基本となっています。
当初は、初期の楔形文字を使って、奉納する品物などを表して神殿などに捧げる際に用いられたようでした。
この初期の文字については完全には解読はされていません。
この象形文字のような文字が長らくは使われ続けました。
それらが長期間使われていく中で、単純化・抽象化していき徐々に楔の形に近づいていきます。
さらには、横書きの左から右に描いていく表記ルールとなります。
現代ではその文字の数は大体1000文字があることが知られています。
元々は表意文字的な要素があったところから表音文字へと変わっていく段階の文字です。
当初は1つの記号が1つの単語を表していましたが、後に1文字が1音節を表している言葉となっています。

シュメールで用いられていた楔形文字ですが、その文字が周辺地域へと広まっていき、アッカド語やヒッタイト語、古代ペルシア語などでも用いられるようになります。
その利用が広がっていくにしたがって、読み方の複雑性や、独自のルールなども誕生していきました。

3000年間使用された楔形文字ですが、紀元後には使用されなくなっていき、その文字や用法も人々から忘れ去られていきます。
そんな人類の歴史の中で忘れられていった楔形文字ですが、19世紀になるとその研究が進み、解読がなされるようになります。
粘土板などを削って書かれた文字であるために、紙などとは違って、その保存性は高いものがありました。
粘土板をさらに焼成することでより強固な記録として残すことができたとも言います。
度重なる戦乱の際に、建物が燃やされ、その際にたまたま中に残っていた粘土板が焼成されて、幸運にもしっかり保存されていたということもあるそうです。
現代にも膨大な楔形文字の資料があり、その研究を通して古代メソポタミアの民族や社会についてなどが研究されています。

いかがだったでしょうか。
一見すると古代エジプトの象形文字なのかなあとも思いがちな楔形文字ですが、実のところこの2つの言葉の間には表意文字・表音文字の大きな違いがあるわけなのですね。
しかし、現在分かっている楔形文字の数を確認してみると約1000文字・・・。
日本語の場合、表音文字であるひらがな・カタカナもその数はこれに比べるとたかが知れていますね。
しかし、このような過去の文明、その文明を構成していた文字を研究している人々がいるからこそ、人類のかつての歴史がそこから見えてくるのではないでしょうか。

なかなか普通に生活しているとお目にかかることのない楔形文字ですが、このような歴史を踏まえたうえでもう一度どのような文字だったか眺めてみると、そこには新たな発見があるかもしれませんね。