959【雑記】そのイメージは戦乱に次ぐ戦乱・・・。しかし、そこに残る歴史の痕跡は見る価値の高いものが多数あるのです『シリア』

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中東の国々と聞くと、どうしてもなんだか危険だなあというイメージが付きまといますよね。
国同士の争いをはじめ、度重なる内戦の数々。
テロの横行など、とにかくきな臭い話の多い中東の地域。
その中でも、シリアという国名を聞くと、そういったイメージが強い国ではないでしょうか。
なぜ、このシリアという国はそのようなイメージが強い国になってしまったのでしょうか。

シリアのある地域というと、過去には様々な大国が侵出してきた地域でもあるのです。
その歴史は紀元前から続く、歴史ある地域にあるシリア。
この国は一体どういった国で、どのような歴史の上に成り立っているのでしょうか。

今回はこの中東の国、シリアについて調べてみることにしました。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 中東の国シリア。なかなかその実情を知ることも難しいシリアとはどのような国なのでしょうか。

シリア

シリアとは正式にはシリア・アラブ共和国という中東にある共和制国家です。
トルコ・イラク・イスラエル・レバノン・ヨルダンと隣接する位置にあります。
トルコのあるアナトリア半島の付け根の位置にあるシリアは、東西交通の要衝となる場所であり、古くは紀元前から文化の交わる長い歴史をもつ場所なのです。

実際、シリアとして独立したのは1946年のことですが、それまでこの地には様々な王朝や大国が入り込んできた場所なのでした。
かつてこの地域ではメソポタミア文明の発祥した地。
その後、ペルシア帝国による支配、マケドニア帝国による支配など、周辺の巨大な勢力が侵出してきていました。

さらにはローマ帝国からの侵攻を受け、ローマの一属州となります。
ローマ帝国の時代は長く、約700年以上も続きます。
その支配を終焉させたのがイスラム教勢力でした。

イスラム教国家と、キリスト教国家のせめぎあいは続き、一時期キリスト教カトリックの十字軍による国家が樹立したりもします。
そこに現れたのが新たな勢力であるモンゴル帝国でした。
世界史上でも最大の国を造ったとされるモンゴル帝国の侵攻を許してしまったシリアの地域は支配下に置かれます。
モンゴル勢力の影響が数百年続いた後には、トルコ勢力のオスマン帝国の支配下に数百年間おかれます。

そんなシリアでしたが、20世紀に入り、シリア・アラブ王国として独立を果たしますが、すぐその直後にフランスの侵入を許してしまい、フランスの委託統治領となります。

第二次世界大戦後には、晴れてシリア共和国として1946年にフランスからの独立を果たします。
ここにきてようやく自分たちの自治権をもった一つの独立国家となったのです。

シリアは独立後にも新たな動きを見せ、エジプトとのアラブ勢の連合共和国を樹立しますが、長続きはせず、わずか1年余りで解消となってしまっています。

このように長い歴史と、それぞれの次代の大国が入り込んできていた歴史的経緯もあって、シリアには素晴らしい世界遺産の数々が残されています。
特にユネスコの世界遺産には6件の登録が行われているのです。
・古都ダマスクス
・パルミラの遺跡
・古代都市ボスラ
・古都アレッポ
・クラック・デ・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーン
・シリア北部の古代村落群

ところが度重なる内戦などの影響によって、世界遺産も甚大な被害を受けました。
その結果、シリア国内にある6つの世界遺産は、全て『危機遺産』に指定されてしまっています。

そんな現代のシリアなのですが、国民のほとんどはアラブ人で構成されています。
アラビア語を公用語として用い、国内の90%近くがイスラム教徒の国となっています。
しかし宗派は沢に分かれており、同じイスラム教といっても一枚岩であるとは断言するうことはできなくなっています。

シリアの国土もまた特徴ある国土となっています。
中東というとどうしても砂漠地帯の印象が強いですが、シリアもそれにもれず広大な砂漠が広がっているエリアです。
地中海に面している西岸から、イラクに面している砂漠の東側地域にかけて、それぞれ気候なども大きく異なります。
実は降雪なども見られたり、首都のダマスカスでは年間平均気温が5.8℃だったりと、少し私たちがもっている中東のイメージだけで行くと「あれ?」となるかもしれません。

経済状態は、長引く戦乱などによって非常に悪い水準となっており、労働可能人口の約50%がしつっ業というとてつもない数の失業者達と、国民の大多数が貧困状態となっている国となっています。
主要な産業はかつては農業でしたが、現在は繊維業や食品加工業が主となっています。
中東なので石油生産が盛んなのではと思いがちですが、実際主要産業のひとつに石油生産業が挙げられるものの、他の中東産油国などと比べるとそれほど多い量ではありません。

長引いた内戦の影響はとてつもなく大きく、GDPの70%もの下落と共に、生活インフラや農業や観光業への打撃の影響は小さくなく、経済状が改善する兆しは見えていない状態なのです。

いかがだったでしょうか。
中々ネガティブなイメージが先行するシリアではありますが、実際に調べてみるとそのイメージがより強くなっただけのような気もしました。
世界有数の素晴らしい観光資源をもつにもかかわらず、なかなか自由に訪れることのできないシリア。
いつの日か、多くの一般の人々にその扉が開かれるときはやってくるのでしょうか。