ラーメンやギョーザ、パスタなどなど、こういった料理に欠かせないとある香辛料について今回は書いていきたいと思います。
今回紹介しているこの香辛料。
唯の植物と侮るなかれ。
かつて世界の在り方を大きく変えてしまったほどの影響力をもった植物・香辛料であったのです。
そして、かつては黄金よりも価値をもった時代もあったこの香辛料。
そう、コショウ(胡椒)なのです。
なぜたかだか香辛料一つが世界の在り方を大きく変えてしまったのか。
それは、この香辛料が栽培できる地域と、数々の食材を保存するためには欠かせないものだったことがあります。
このコショウを求めてかつての大航海時代はありました。
また、植民地時代にもコショウは大きくかかわってきます。
それほどの存在であるコショウなのですが、それそのものについてどこまで考えてことがあるでしょうか。
今回はこのコショウという香辛料を調べてみることにしました。
というわけで、今回のわきみちは、
コショウ(胡椒)

コショウ(胡椒)は、香辛料の一つであり、つる性の植物で、そこになる果実を原料として作られる香辛料のことです。
元々は印度が原産の香辛料であり、現在では世界じゅうの熱帯地域で栽培されています。
熱帯地域と書いたように、コショウの栽培にはその地域の気候が大きく影響する植物となっています。
香辛料としてのコショウは非常に広く利用されるものとなっています。
料理の味付けにはもちろん幅広く利用されています。
それ以上に利用されているのが保存性の高さです。
かつてのヨーロッパでは、食肉を保存するためのコショウがとにかく必要とされていました。
しかし、ヨーロッパではコショウなどの食材の保存に使うことができる香辛料というものは非常に希少であり、金よりも高価だったこともあるほどなのでした。
何しろ、こういった香辛料を手に入れるためには、ヨーロッパから南下し、中東を越え、アフリカやアジアといったところから商人たちが陸路を通って持ってきたものを、高額な価格で手に入れるしかなかったのです。
そこで、ヨーロッパの人たちは、陸路ではなく海路を使って、自分たちに直接こういった香辛料が手に入るようなルートの開拓にこぞって出ていくことになります。
これが大航海時代ですね。
そしてアジアやアフリカで香辛料の生産拠点を抑えたヨーロッパ列強各国は、今度はそういった地域を植民地支配することによって香辛料利権をおさえにかかったのです。
コショウなどの香辛料が、世界の歴史を大きく変えてきたのですね。

原産地はインドでしたが、現在では同じく熱帯である東南アジアやアフリカ、中南米でも生産が行われるようになっています。
コショウは非常に多岐の料理に使用することができます。
ラーメンやギョーザ、パスタ料理や肉料理など様々な料理にも利用されています。
そしてかつての保存食であったハムやソーセージ作りの際にも広く利用されており、現代では欠かせない香辛料の一つとなっています。
そんなコショウなのですが、スーパーなどに売られているコショウにはいくつか種類があることはご存じでしょう。
最もよく見かけるのが黒いコショウの黒コショウではないでしょうか。
ブラックペッカーと呼ばれるこのコショウは、コショウの果実を天日干しで乾燥させたものであり、皮はついた状態のまま挽いて使われます。
香りが強いとともに辛みも強いので、肉や魚などの料理や保存にはよく使われるものとなっています。
他にも白色のコショウがありますね。
これは白コショウ=ホワイトペッパーであり、赤く完熟した果実を見ずにつけて発酵させ、外皮をはがしたものが白コショウとなります。
黒コショウよりも辛みが弱いため、ラーメン屋シチューなど、素材そのものの味が強くないものなどにはよく利用されるコショウです。
実は白コショウは発酵食品だったのですね。
他にはあまり見かけませんが、完熟前の緑色の果実をゆでてから塩蔵した青コショウがあります。
辛みはあるものの、さわやかな香りが特徴でスープなどによく利用されます。
東南アジアでは青コショウを食材として利用する国もあったりします。
また、赤色に完熟した果実を天日乾燥したものが赤コショウです。
赤コショウは辛さも香りもマイルドで、南米委ではよく利用されるようです。
このように、どの段階で収穫されるか、その後どのように処理されるかによって私たちが利用することができるコショウにはいくつかの種類が存在するのです。
日本に故障が伝来したのは西暦700年頃ではないかと言われています。
中国からやってきたコショウは様々な料理で利用されるようになっていきました。

いかがだったでしょうか。
一つの植物を求めて、世界の人々の歴史が大きく動いていったのですね。
そう考えると、香辛料の一つにも大きな歴史のロマンがあるものなのだなあと改めて感じさせらてしまいます。
今では熱帯地域で広く栽培されるようになったコショウ。
もしそういった地域に行くことがあれば、実際に栽培状況なども見てみると面白いかもしれませんね。