世界のそれぞれの国には伝統ある食べ物が各地に存在しています。
それぞれの気候や風土にあった独自な食べ物が生み出され、人々のソウルフードになっているのです。
今回紹介しているのはインドのとある食べ物です。
インドと聞くと真っ先に思いつくのはスパイスの数々。
非常に暑い気候帯にあるインドでは、数々のスパイスを食材の保存などに使われるほか、そのほとんどの料理にも使われているのです。
そしてそれは、道端で営業している小さなお店から、高級なレストランまであらゆる場所で見られます。
そんなインドには、今やどこでも見られる伝統的なスナック菓子があります。
ブジアと呼ばれるこのスナック菓子は、一見すると麺のような形ですが、それをカリカリに揚げたスナック菓子であり、インドの北西部にあるラージャスターン州ビカネールという町では、このスナック菓子がどこでも提供されるほどのものとなっているのです。
これだけ書いても、実際にその味を確かめたことがないブジアという食べ物。
一体どのような食べ物であり、どのような歴史のあるものなのでしょうか。
というわけで、今回のわきみちは、
ブジア
インドの北西部、ラージャスターン州のビカネールは、パキスタンとの国境近くにある典型的な砂漠地域です。
そのビカネールでは、道端にある茶屋から高級なカクテルバーまでどこでも提供され、多くの人に食べられているスナックがあります。
そのスナックは麺のような形をしたものがカリカリに揚げられたスナックであり、ブジアと言います。
この地域の人々は、間食だけではなく、朝食や昼食。
夕食のカレーのトッピングなど、あらゆる食事のコースに取り入れられています。

これだけ多くの人々に愛されているブジア。
どのようなものなのかというと、地元の豆で作られ伝統的なスパイスで味付けされたスナックなのです。
ジャガイモで作られたアローブジアもあります。
そんなブジアには150年近くの歴史があります。
1877年当時のビカネール州の君主は、宮殿でゲストをもてなすために、斬新かつ美味しい一品を考案することをシェフに要望しました。
王室のシェフはその際にこのブジアを思いついたとされています。
この宮殿で最初に考案されたブジアは急速に広まり、すぐに州内の家庭料理となっていきます。
また、1946年頃からは、街中にあるスナックでもこのブジアを売り始めます。
さらには、他の都市からもこのブジアの存在は知られていきます。

このような歴史をもつブジアですが、ビカネールの家内工業として、この地域で主に女性の約250人余りの人々が製造しています。
また、現在ブジアはビカネール以外でも大量生産されるようになっています。
しかし、多くのブジアファンにとっては、このビカネールの地で作られたブジアだけが本物のブジアとみなされています。
ビカネールで作られているブジアにだけが、「ビカネリ」という名称を使ってラベリングされることが許可されています。
ビカネールから食材を輸出して別の場所でブジアを作っても同じ味は出せないというほどです。
ビカネール地域の乾燥した気候や、地元の特徴的な香辛料、そしてこの地域の塩水など、ここでしかその味が出せない要素が数多くあるのです。
そんなブジアは世界から注目を集め始めています。
世界の食品大手であるケロッグやペプシコなどがこのブジアに関心を持っていたこともあったほどです。
そんなブジアは、ニュージャージー州のウォルマートの棚にも置かれています。
この地域に住む多くのインド人の人々にとっては、インドらしさを感じることができる貴重な食べ物の一つなのです。
また、それ以外にもAmazon.comでも購入することができます。
多くの人々は、それをハンバーガーやサンドイッチに入れて、インドらしさを味わっているのです。
このようにブジアという存在は、地球上どこにいても、絶え間なく変化し続けているインド人の料理シーンの中で重要な要素として機能しているのです。

いかがだったでしょうか。
インドだけではなく、様々な地域には、その地域ならではの食べ物が数多く存在します。
その中にはまだまだであったことがない味わいというのも数多くあります。
全てがすべて私たちの嗜好にあうのか、といわれるとそうも言い切ることはできません。
しかし、世界の各地で受け継がれてきている確かな味。
されを試さずに結論付けてしまうことはもったいなくないですか?
このような世界の味に出会ったときは、一度は試してみる!というのも自分自身の世界観を広げる一つの要因になりそうな気がします。
