以前紹介した道の駅 知床・らうすの背後には、急激にそびえたつ山があります。
その高さなんと海抜167mもあるのですが、その高台にとある展望台があります。
海から急激にこれだけの高さになるわけですから、その展望台からは羅臼の街の前に広がる海、そして、遠く先に見える北方領土 国後島の姿を確認することができるのです。
この施設の名前を、羅臼国後展望塔といいます。
ここにたどり着くまではかなりの酷道になっています。
道幅はかなり狭く、恐ろしい急坂ともなっているので、徒歩ではかなりたどりつくまでが大変なことでしょう。
車での訪問でも十分に気をつけるように注意書きされているような場所にあります。
しかし、そういったハードルを越えてなお見てみたい景色がそこにあるのです。
今回はこの望郷台と呼ばれる高台にある羅臼国後展望塔について紹介していきたいと思います。
というわけで、今回のわきみちは、
これまでの知床の記事です。





羅臼国後展望塔
羅臼町の中心市街地からすぐそばに、急激に高台になっている場所があります。
望郷台とも呼ばれるこの高台は、かつて北方領土から羅臼町に引き揚げてきた人々が故郷である国後島を一望できる丘であるところからきています。
この高台には、羅臼の街を一望することができる展望塔があります。
その名を羅臼国後展望塔と言います。
“国後”と名前にあるように、この展望塔からは、海を隔てた先にある北方領土 国後島をも一望することができるのです。
以前当ブログでも紹介した、道の駅 知床・らうすがあったと思いますが、その近くから高台につながる車道があるので、そこから急激な坂を上っていくと羅臼国後展望塔に到着します。
しかし、如何せん167mもある高台にある展望塔。
かなり厳しい坂道となっているので、徒歩でも行けないことはないですが、なかなかに厳しい道のりであることは間違いありません。
また、道幅も狭くなっているので、車で訪れる場合も十分に注意していく必要があるでしょう。
まあ、対向する車はほぼないのでその点では安心していくことができるかもしれませんけど。
たどり着いた駐車場の先にある小さなコンクリート造の施設。
こちらが羅臼国後展望塔なのです。
施設前面から見ると小さな建物なのかな?と思ってしまうかもしれませんが、斜面に沿って建てられたこの施設、内部はかなり広くなっています。
また、展望デッキには、建物の入り口横にあるスロープを上っていくとたどり着くことができます。
この展望塔は羅臼でもピカ一の絶景スポットであるといわれています。
羅臼の街並み、そして羅臼の港を一望できることはもちろん、晴れた日には海を隔てた先にある国後島をも一望することができます。
国後島内にそびえる山々の姿は、羅臼に引き揚げてきた国後島の人々にとっては忘れられない光景だったことでしょう。
また、背後を振り返ってみると、羅臼の街を囲む羅臼岳がそびえており、海から山まで、広大な自然をこの場所では独り占めできてしまう場所でもあるのです。
この施設、展望塔という名前なのですが、展望を楽しむことができるだけではありません。
この施設内には、北方領土問題について解説された展示室や映像室などが設けられており、ここにくるだけで北方領土問題のすべてがわかるといっても過言ではありません。
実際、筆法領土問題と言われても詳しくは説明できない人が多いかもしれませんが、歴史的にこの北方の地域が、どういったいきさつやどういった条約などによって日本かロシアかどちらに帰属するかが決められていき、今の状態がいかに不法なものであるかということが、館内の展示を順にみていくことでよくわかることだと思います。
そして、特に印象に残るのは、北方領土の島々でのかつての人々の生活を紹介した写真展示の数々です。
島にあった学校での行事の様子。
世界的な漁場である千島海域での漁業や、工業、農業、畜産業といった、島での産業の紹介。
たしかにそこには日本人の生活があったんだというのがよくわかるのです。
アクセス
道の駅 知床・らうすの近くにある登山道を1.5kmほど登ったところにあります。
羅臼国後展望塔へ行ってみた
それでは、羅臼国後展望塔へ行ってみましょう。

施設はこの写真のすぐそばなのですが、残念なことに撮り忘れてしまいました・・・。

施設入り口のすぐそばに、建物の背後に向かうスロープがあります。
そこを進んでいくと、羅臼港が一望できる展望デッキがあります。
上の写真のように羅臼港が一望できます。
ここから漁船団が出航していく様子は、大迫力なのでしょう。
残念ながらこの日はかなり曇っていたので見ることはできませんでしたが、この海の向こうには国後島があり、晴れた日にはここからその様子がよく見えるのです。


背後を見てみると、羅臼の街を囲んでいる険しい山々が連なっています。
羅臼岳の姿もよく見えるらしいのですが、こちらもかなり曇っていたことからこの日は見ることができませんでした。

館内に入ってみると、館内にもこのような展望フロアが設けられています。

館内展示は、北方領土問題について詳細に説明されているので、なぜ今もなお大きな問題として残っているのかがよく理解できるかと思います。

なかなか他で見ることができないのが、かつて北方領土の島々で営まれていた人々の生活の様子の写真です。
かつてここには日本の生活があったんだ、ということを改めて認識させてくれるかのような展示です。


このように地図で見てみると北方領土の大きさがよくわかることでしょう。
国後島だけ見てみても、知床半島よりもさらに大きな土地なのだということがわかります。
これだけの地域が今もなお日本に戻らず残っている。
忘れてはいけない日本の課題なのですね。

いかがだったでしょうか。
展望を求めてここを訪れるのもいいかと思いますが、ここまでやってきたのだから、北方領土に関する様々な知識をここで吸収してこそ、来たかいがあるというものではないでしょうか。