996【北海道紀行】明治に開業した根室で最初の床屋跡。現在は史跡標柱が残る『二越髪結床跡』

北海道(Hokkaido)
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北海道の根室の町。
町中をいろいろとさまよってみると、ところどころに根室にある歴史的な場所などを紹介した案内の標柱があります。
かつての県庁跡。
かつての銀行跡。
かつての郵便局の跡。
かつての学校跡。
かつての警察署跡
かつての税務署の跡。
などなど。

明治期にこの根室に作られた様々な建物跡などを紹介した案内の標柱になっているのです。
町中にそういった歴史的なスポットが点々とあるというのは面白いですよね。

そういった公共的な施設跡がたくさんある中で、一つユニークな場所があります。
それが、床屋の跡なのです。
その床屋の跡を、二越髪結床跡と言います。
床屋なんてどこにでもあるのでは・・・と思うかもしれませんが、この床屋は根室で最初にできた床屋であり、北海道の中でも最も古い床屋の一つに数えられているそうなのです。
現在は案内の柱が立つだけのこの二越髪結床跡。
一体どんな歴史がある場所なのでしょうか。

今回はこの二越髪結床跡について紹介していきたいと思います。

というわけで、今回のわきみちは、

【今回のわきみち】
  • 根室で最初にできた二越髪結床跡。床屋跡の史跡というのは初めて見た気がするが、だからこそ、見に行ってみたくなるわけです。

これまでの道東の記事です。

1094【北海道紀行】海を隔てた先にある北方領土を望む資料館『望郷の家 北方館』
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1080【北海道紀行】根室開拓の最前線。ここから根室が拓けていった『開拓使根室出張所跡』
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985【北海道紀行】すぐ裏手には風連湖を望む道の駅『道の駅 スワン44根室』
今回紹介しているのは北海道の道東にある道の駅です。先日紹介した、道東にある巨大な湖 風蓮湖。この風蓮湖を南側から一望できる場所にある道の駅があるのです。その道の駅とは、道の駅 スワン44ねむろと言います。
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975【北海道紀行】知床クルーズの玄関口ウトロにある巨大な道の駅『道の駅 うとろ・シリエトク』
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931【北海道紀行】北方領土を望む日本の東端、納沙布岬にある『北方領土資料館』
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918【北海道紀行】知床半島を横切る横断道路にある、世界遺産知床を望む峠『知床峠』
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全国各地にある金刀比羅神社なのですが、今回紹介しているのは北の端にある北海道は根室の金刀比羅神社です。そして、北方領土にも近いこの金刀比羅神社には、かつて北方領土にあった神社のご神体もここに移され置かれているのです。
915【北海道紀行】「叫びの像」「別海北方展望塔」も隣接する道の駅へ行ってみよう『道の駅 おだいとう』
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909【北海道紀行】世界遺産知床の入り口にたたずむ、大人気の道の駅『道の駅 知床らうす』
北海道は、知床半島の中ほど。そんな場所に、北方領土の国後島に日本で最も近い道の駅があります。その道の駅とは、『道の駅 知床・らうす』。不思議な名前をしているなあと思いますが、地名です。羅臼という町にあるこの道の駅は、この道の駅を過ぎると世界自然遺産である知床の自然の光景を眼前に眺めることができる知床横断道路の羅臼側の起点となります。
892【北海道紀行】街中にポツリと立つ歴史ある教会の建物『根室キリスト教会』
今回はそんなキリスト教の教会の中でも、根室にある根室キリスト教会について書いていきたいと思います。が、実際に中に入ったわけではなく、その外観を見たときにかなり歴史を感じさせる建物だなあ、とフィーリングを感じたのが実際であり、なかなかここについての資料は少なかったりするのではありますが、印象に残った建物の写真と共に紹介をしていきたいと思います。
888【北海道紀行】根室半島チャシ跡群の中では最もよく整備され、訪れやすいチャシ『ヲンネモトチャシ跡』
根室半島チャシ跡群の24か所の中でも人が入れるように整備されて公開されている場所はわずかとなっています。その中でも、日本最東端の納沙布岬からも近く、きちんと整備されているためにチャシ跡に訪れる人々のほとんどが訪れる場所がヲンネモトチャシ跡です。
886【北海道紀行】かつての日本最東端の駅。チャシを巡る旅には立ち寄り必須の『根室駅』
日本で一番東の端にある駅とはどこにあるでしょうか?頭の中に地図が思い浮かんでいることでしょうが、どのエリアが思い浮かんでいるでしょうか?日本最東端の駅とは北海道にあるのです。その駅の名前とは東根室駅という小さな駅になります。ただし、今回紹介するのは東根室駅ではありません。東根室駅が日本最東端の駅となる前に日本最東端だった駅があるのです。
874【北海道紀行】妄想紀行が現実に!!かつてアイヌの人々の拠点だった『チャシ』とは何なのだろうか
日本百名城の栄えある登録ナンバー001。北海道根室にある根室半島チャシ跡群。1番でありながら、北海道の中でも唯一道東の離れたところに存在する百名城。そんなところに城などあるのか?と誰もが口にすることでしょう。そう思うかもしれませんが、あるんですここには。チャシが。
397【妄想紀行】日本百名城の栄えあるNo.1の城跡。しかし、ここへ訪れるのは非常にハードルが高く…『根室半島チャシ跡群』
日本百名城ですが、その城ナンバーの01にある城をご存知でしょうか?北から順番に番号を振られているため、ナンバー01の城は北海道にあります。その名を、『根室半島チャシ跡群』と言います。

二越髪結床跡

北海道の根室の町にある二越髪結床跡とは、根室で最初の床屋のあった場所に建つ史跡の標柱です。
現在はスナックの入っている建物となっています。
北海道全体で見ても、最も古い部類に入る床屋だったのだそうです。

そんな根室初の床屋である二越髪結床跡が開業したは、明治6年のことでした。
非常に大きな建物で開業した二越髪結床跡なのですが、ここを開業した人物が二越留吉(ふたこしとめきち)でした。
二越留吉23歳の時、2人の弟子と共に根室で最初の二越髪結床を開業しました。
開業当初は、髪結床(かみゆいとこ)という名称でしたが、後に理髪床(りはつとこ)という名前に変更して営業を続けていたのだそうです。

この二越髪結床ができてからは根室の町中にも床屋が増えていき、大正2年には20数店になるまで増えていたそうです。

なお、根室市内には二越髪結床跡の史跡標柱だけではなく、街のいたるところに全部で36か所の標柱があります。
ぜひ一つ一つ探してみてはいかがでしょうか。

白木屋跡(根室最初の商店跡)
本町の石畳(埋め立て地に敷き詰められた石畳)
開拓使根室出張所跡(開拓使庁の出張所跡)
花咲学校跡(現在の花咲小学校の前身となった学校)
歯舞村役場跡
安政二年の石灯篭(いしとうろう)
北海道庁立根室実業学校跡
私立根室実修学校跡
根室町役場跡
寛政の蜂起和人殉難墓碑
和田屯田兵本部跡
根室で最初の床屋・二越髪結床跡
第四十四国立銀行根室支店跡
伊勢座跡(芝居小屋跡)
北友社跡(根室初の新聞社跡)
1根室女紅場(じょこうば)跡(芸娼妓に洗濯・裁縫を教える場所)
1根室監獄署跡
1開拓使根室牧畜場跡
根室指定文化財(史跡)和田屯田兵碑
北海道指定文化財(有形文化財)和田屯田兵村の被服庫
観象台跡
官立根室病院跡
厚床家畜市場跡
根室最初のお寺 開法寺
旧根室警察署跡
旧根室幼稚園跡
寄席柳亭跡
旧根室郵便局跡
日本郵船会社根室支店
北海道最初の納沙布岬灯台
小市慰霊碑・湯地定堅・梶原平馬の墓
根室始審裁判所・治安裁判所跡
落石無線送信所跡
港線跡地
根室最初のキリスト教バプテスト伝道の地
旧根室税務署跡

アクセス

根室駅から北東に1.2kmほど歩いたところにあります。

二越髪結床跡へ行ってみた

それでは、二越髪結床跡へ行ってみましょう。

根室の町中に、二越髪結床跡はあります。
上の写真のような標柱がありますが、少し見つけにくいかもしれません。
隣の建物の中には、現在はスナックが入っているようです。
営業は・・・してるのかな??

標柱にはこの史跡の案内が書かれていました。
かつては港町として非常に栄えていたようですが、現在は結構この周辺は閑散としています。

こちらがかつての二越髪結床のイラストです。
絵の中の人の大きさと比べてみるとかなり大きくないですか??
床屋でこれだけの大きさがあるというのは今ではあまり見かけないですね。

少し、二越髪結床の周辺も撮影してみました。

すぐ北側がスロープになっていて、そこを下りていくと海にたどり着きます。

とにかく閑散としています。

根室港が近いのでかつては漁師の人たちでにぎわった街だったのではないでしょうか。

いかがだったでしょうか。
今回は根室の町にある史跡の紹介をしてきました。
数々の標柱があるということからも、根室の町が歴史ある町だということがよくわかりますよね。
町中にあるこれらの跡を巡ってみるというのも、面白い旅のスタイルではないかと思います。